こんにちは。
標記の件について皆様の知見を伺いたく。
望遠鏡部品の天頂プリズムと天頂ミラーは、単純にどちらの方が光学性能的に優れているのでしょうか?
単に光路を90度曲げるだけなら透過面の多いプリズムよりもミラーの方が光学的損失が少ないように思うのですが、一眼レフカメラだと普及品はペンタミラーで中級品以上はペンタプリズムが一般的な事を考えると、わざわざプリズム使う利点が何かあるようにも思えますし。
プリズム Vs ミラー
Re: プリズム Vs ミラー
天頂ミラーと天頂プリズムを見比べると、見え方が違うのが分かります。
どちらが好みかは分かれると思いますが、だいたい最近天頂プリズムが手に入りません。
24.5㎜サイズなら両方ありますが、そのクラスの天頂ミラーはチープなものしかありません。
アメリカンサイズが流行り始めたころは、31.7㎜のプリズムもありました。ミラーばっかりになったことは何が意味があるのでしょう? 私も知りたいところです。
そういえば違いの話、過去にもあったように思いますが、たどりつけません・・・
どちらが好みかは分かれると思いますが、だいたい最近天頂プリズムが手に入りません。
24.5㎜サイズなら両方ありますが、そのクラスの天頂ミラーはチープなものしかありません。
アメリカンサイズが流行り始めたころは、31.7㎜のプリズムもありました。ミラーばっかりになったことは何が意味があるのでしょう? 私も知りたいところです。
そういえば違いの話、過去にもあったように思いますが、たどりつけません・・・
プライベートメッセージです
Re: プリズム Vs ミラー
皆様こんばんは。
反射面の反射率だけ考えれば全反射を利用しているプリズムの方が有利です。
ミラーはアルミコートが多く保護膜付きで90%程度、増反射膜付きで95%程度の反射率になります。
(98%のものもあるようですが特殊です)
誘電体多層膜の広帯域ミラーでは反射率99%のものがありますがコストの問題があるので天頂ミラーには
使われていないような気がします。
プリズムの全反射はほぼ100%ですが入出射面の反射による損失があるので反射防止膜(ARコート)の
性能で光の利用率が変わります。
反射防止膜が無い場合は1面当たり約4%の反射があるので透過率は96%になり2面あるので
0.96×0.96=0.921となり全反射が100%であっても92.1%の光しか利用できません。
保護膜付きのミラーより少し良いだけという事になってしまいます。
反射防止膜は1面当たり可視域全体の4層マルチコートで0.5%、単層コートで1.5%程度の反射率になります。
2面あるので
4層マルチコートは0.995×0.995=0.990で99%の光が利用できるのでアルミミラーよりも有利です。
単層コートでは0.985×0.985=0.970で97%の光が利用でき、こちらでもアルミミラーより少し有利です。
プリズムは光がガラスを透過することになるので収差に少し影響を与える点に注意が必要かもしれません。
Fナンバーが大きい長焦点の望遠鏡であれば入射角が小さいので影響は小さいと思います。
ミラーは表面鏡であれば1面だけ研磨して反射膜をコートするので安価に作れます。
プリズムは3面磨く必要があり、ガラスを多く使うのと2面に反射防止膜を付けなければならず
高くついてしまうのでミラーが主流になっているのではないでしょうか。
反射面の反射率だけ考えれば全反射を利用しているプリズムの方が有利です。
ミラーはアルミコートが多く保護膜付きで90%程度、増反射膜付きで95%程度の反射率になります。
(98%のものもあるようですが特殊です)
誘電体多層膜の広帯域ミラーでは反射率99%のものがありますがコストの問題があるので天頂ミラーには
使われていないような気がします。
プリズムの全反射はほぼ100%ですが入出射面の反射による損失があるので反射防止膜(ARコート)の
性能で光の利用率が変わります。
反射防止膜が無い場合は1面当たり約4%の反射があるので透過率は96%になり2面あるので
0.96×0.96=0.921となり全反射が100%であっても92.1%の光しか利用できません。
保護膜付きのミラーより少し良いだけという事になってしまいます。
反射防止膜は1面当たり可視域全体の4層マルチコートで0.5%、単層コートで1.5%程度の反射率になります。
2面あるので
4層マルチコートは0.995×0.995=0.990で99%の光が利用できるのでアルミミラーよりも有利です。
単層コートでは0.985×0.985=0.970で97%の光が利用でき、こちらでもアルミミラーより少し有利です。
プリズムは光がガラスを透過することになるので収差に少し影響を与える点に注意が必要かもしれません。
Fナンバーが大きい長焦点の望遠鏡であれば入射角が小さいので影響は小さいと思います。
ミラーは表面鏡であれば1面だけ研磨して反射膜をコートするので安価に作れます。
プリズムは3面磨く必要があり、ガラスを多く使うのと2面に反射防止膜を付けなければならず
高くついてしまうのでミラーが主流になっているのではないでしょうか。
Re: プリズム Vs ミラー
御二人ともありがとう御座います。
これに関連してもう1点気になっているのがプリズムの素材についてです。
双眼鏡についてネットで検索していたら下記の記載を見つけました。
Bk7:対物F値が7以下だと全反射が起こらない部分が発生するため、安物の双眼鏡にしか使用せれない。
Bak4:Bk7より高屈折の光学ガラスでF3.5の短焦点の対物レンズでも全反射が可能となるため、一般双眼鏡のプリズムとして使用される。
この記述が正しいとすると、昔の屈折望遠鏡はどんなに単焦点でもF7止まり(D60mmーf420mm、D80mmーf560mm)だったから、安価なBk7のプリズムでも良かったものの、最近の屈折はより短焦点の物が多くなったため、Bk7では全反射が起こらず、かと言ってBak4では高価になるので、全反射しないBk7よりミラーの方が反射率が高くなるからミラーが増えたのかな?とも思ってしまいます。
これに関連してもう1点気になっているのがプリズムの素材についてです。
双眼鏡についてネットで検索していたら下記の記載を見つけました。
Bk7:対物F値が7以下だと全反射が起こらない部分が発生するため、安物の双眼鏡にしか使用せれない。
Bak4:Bk7より高屈折の光学ガラスでF3.5の短焦点の対物レンズでも全反射が可能となるため、一般双眼鏡のプリズムとして使用される。
この記述が正しいとすると、昔の屈折望遠鏡はどんなに単焦点でもF7止まり(D60mmーf420mm、D80mmーf560mm)だったから、安価なBk7のプリズムでも良かったものの、最近の屈折はより短焦点の物が多くなったため、Bk7では全反射が起こらず、かと言ってBak4では高価になるので、全反射しないBk7よりミラーの方が反射率が高くなるからミラーが増えたのかな?とも思ってしまいます。
Re: プリズム Vs ミラー
曇天会議の皆様こんにちは
折角なので話の種にカキコさせて下さい。m(_ _)m
(^0^)はプリズムでもミラーでも何か光路中に入れると災いの元と感じており、
その一番が像質の悪化ですが、実際やってみるとあまり影響無く使えそうで、使い勝手
を考えるとこに意義を見い出しております。
先に紹介したとも思いますが、ファインダー対物Lの光路長さが足りなくなった時に
ダハプリズム使用の光路折り曲げユニットを接眼部に連結して光路を延長した事が
ありました。(~ ~;
それまでは確かミラー式のだったのですが、今回のファインダーでは実用が優先され、
像質は二の次になっての話です。(^0^8
これでプリズム中の光路が硝材厚さの約1/3は伸びる計算となり、目的を達成しました。
多分、ダハプリズムで像質は悪化し、場合によっては像の分裂も考えられます。
また、通過平面による収差も考慮すると、物によってはミラーが有利とも感じます。
余計な話ですが、何かの参考になれば幸いです。(^0^v
※この例ではアイピースを含めて交換になったので、光路を長くする必要がありました。
折角なので話の種にカキコさせて下さい。m(_ _)m
(^0^)はプリズムでもミラーでも何か光路中に入れると災いの元と感じており、
その一番が像質の悪化ですが、実際やってみるとあまり影響無く使えそうで、使い勝手
を考えるとこに意義を見い出しております。
先に紹介したとも思いますが、ファインダー対物Lの光路長さが足りなくなった時に
ダハプリズム使用の光路折り曲げユニットを接眼部に連結して光路を延長した事が
ありました。(~ ~;
それまでは確かミラー式のだったのですが、今回のファインダーでは実用が優先され、
像質は二の次になっての話です。(^0^8
これでプリズム中の光路が硝材厚さの約1/3は伸びる計算となり、目的を達成しました。
多分、ダハプリズムで像質は悪化し、場合によっては像の分裂も考えられます。
また、通過平面による収差も考慮すると、物によってはミラーが有利とも感じます。
余計な話ですが、何かの参考になれば幸いです。(^0^v
※この例ではアイピースを含めて交換になったので、光路を長くする必要がありました。
Re: プリズム Vs ミラー
皆様こんばんは。
恥ずかしながら私はBK7とBak4プリズムの違いを認識していませんでした。
検索していたら賞月観星さんのブログのこんな記事を見つけました。
BaK4とBK7の違い(ポロプリズム編)
http://blog.livedoor.jp/forrest1437/arc ... 67404.html
BaK4とBK7の違い(ダハプリズム編)
http://blog.livedoor.jp/forrest1437/arc ... 46186.html
ポロプリズム編の最後にある「BK7は入射光の83%ほどしか反射せず」の意味がわかりませんでした。
(全反射している部分は100%反射のはずなのになぜ83%なのか?視野の話?)
(^0^)コメト さんの御説明の通りプリズムの場合は屈折率の関係で光路が伸びる効果もありますね。
収差への影響があるので双眼鏡ではプリズムの光路も含めて設計していると吉田正太郎先生の本に
書いてあったと思います。
加工という点からするとプリズムの方が塊になっている分、変形が少なく面精度が出しやすいのでは
無いでしょうか。
平面ミラーの場合は基板をケチって薄くすると研磨中の応力などの関係もあり面精度が出ない場合が
多いですね。
余談ですが、昨日、会社の同僚がφ30mm厚さ5mmの平面ミラーを使ってマイケルソン干渉計を組んで
テストしていました。(光源はレーザー)
干渉縞がひどく曲がっていたのでミラーを側面から押さえているねじを緩めるようアドバイスしたところ
まっすぐな干渉縞になりました。
同僚は「先端にプラスチックがはめ込まれているねじだから大丈夫と思っていた」とびっくりしていました。
ミラーは反射光が面の傾きの2倍変化するので固定方法を工夫しなければいけないことを再認識しました。
屈折の場合は屈折率1.5とすると屈折光の変化は面の傾きの2/3になるので高性能の反射望遠鏡を作ることの
難しさがわかります。
恥ずかしながら私はBK7とBak4プリズムの違いを認識していませんでした。
検索していたら賞月観星さんのブログのこんな記事を見つけました。
BaK4とBK7の違い(ポロプリズム編)
http://blog.livedoor.jp/forrest1437/arc ... 67404.html
BaK4とBK7の違い(ダハプリズム編)
http://blog.livedoor.jp/forrest1437/arc ... 46186.html
ポロプリズム編の最後にある「BK7は入射光の83%ほどしか反射せず」の意味がわかりませんでした。
(全反射している部分は100%反射のはずなのになぜ83%なのか?視野の話?)
(^0^)コメト さんの御説明の通りプリズムの場合は屈折率の関係で光路が伸びる効果もありますね。
収差への影響があるので双眼鏡ではプリズムの光路も含めて設計していると吉田正太郎先生の本に
書いてあったと思います。
加工という点からするとプリズムの方が塊になっている分、変形が少なく面精度が出しやすいのでは
無いでしょうか。
平面ミラーの場合は基板をケチって薄くすると研磨中の応力などの関係もあり面精度が出ない場合が
多いですね。
余談ですが、昨日、会社の同僚がφ30mm厚さ5mmの平面ミラーを使ってマイケルソン干渉計を組んで
テストしていました。(光源はレーザー)
干渉縞がひどく曲がっていたのでミラーを側面から押さえているねじを緩めるようアドバイスしたところ
まっすぐな干渉縞になりました。
同僚は「先端にプラスチックがはめ込まれているねじだから大丈夫と思っていた」とびっくりしていました。
ミラーは反射光が面の傾きの2倍変化するので固定方法を工夫しなければいけないことを再認識しました。
屈折の場合は屈折率1.5とすると屈折光の変化は面の傾きの2/3になるので高性能の反射望遠鏡を作ることの
難しさがわかります。
Re: プリズム Vs ミラー
どなたかお詳しい方が計算していただけるかもしれませんが、空気の屈折率を前提とした光学系の光路中に屈折率が高いガラスを挟むと影響はないのでしょうか? 短焦点なら像高?によってガラスの通過距離の違いも影響あるかもしれません。
想像ではごく弱い凹レンズの効果があるのではないかと思います。いかがでしょうか?
それと気になるのはゴミの影響です。ミラーの表面についた汚れやごみは2倍影響します。プリズムなら反射面にゴミが着くことがありません。プリズムの両端面のごみはミラー面よりメンテナンスが楽です。
ミラーは消耗品と思っています。そういう意味でプリズムの方が高級なイメージを受けます。
ただ、違いの影響は分かりません。
想像ではごく弱い凹レンズの効果があるのではないかと思います。いかがでしょうか?
それと気になるのはゴミの影響です。ミラーの表面についた汚れやごみは2倍影響します。プリズムなら反射面にゴミが着くことがありません。プリズムの両端面のごみはミラー面よりメンテナンスが楽です。
ミラーは消耗品と思っています。そういう意味でプリズムの方が高級なイメージを受けます。
ただ、違いの影響は分かりません。
プライベートメッセージです
Re: プリズム Vs ミラー
反射形式ですが、プリズムは明るいがミラーは暗い。半面、プリズムは重く、ミラーは軽い・・・・程度の認識でした。
又、プリズムに比べ、ミラータイプは安物で、安価な望遠鏡のおまけについてくる付属品・・・という様な感覚も持っていました。
そういえば、2inchサイズが一般最大サイズの差し込みに代わってから、ミラータイプが多くなった様な気がします。
これも重量&コストの関係でしょうか?
又、双眼望遠鏡のEMSに採用されているのは反射鏡2枚ですので、そう考えると相当面精度が良く、良いコーティングを採用しているのでしょうね。
少し脱線気味の投稿ですが・・・。
又、プリズムに比べ、ミラータイプは安物で、安価な望遠鏡のおまけについてくる付属品・・・という様な感覚も持っていました。
そういえば、2inchサイズが一般最大サイズの差し込みに代わってから、ミラータイプが多くなった様な気がします。
これも重量&コストの関係でしょうか?
又、双眼望遠鏡のEMSに採用されているのは反射鏡2枚ですので、そう考えると相当面精度が良く、良いコーティングを採用しているのでしょうね。
少し脱線気味の投稿ですが・・・。
Re: プリズム Vs ミラー
皆様こんにちは。
ガラクマ様
厚い平行平板が入ると収差の影響はあります。
Optalixのシミュレーション結果を元に球面収差と色収差への影響がわかる作図をしてみました。
球面収差に関しては周辺部ほど屈折量が大きくなるので負の球面収差として働きます。
間違いがあったので訂正です。
誤り
色収差に関しては青色の方が大きく屈折するので赤色よりも焦点距離が延びることになります。
正しくは
色収差に関しては青色の方が大きく屈折するので赤色よりも焦点位置が遠くにずれます。
平行平板はレンズとしてのパワーが無いので焦点距離は変わりません。
図の説明も間違っているので上記の表現に読み替えてください。
図ではd線基準になっているので赤色の焦点位置がレンズ側に移動していますがこれは
d線の焦点移動量よりもC線の移動量が少ないのでこのような形になっています。
双眼鏡の場合はこの辺りも含めて設計すると吉田正太郎先生の天文アマチュアのための望遠鏡光学に
書いてあったと思います。
ガラクマ様
厚い平行平板が入ると収差の影響はあります。
Optalixのシミュレーション結果を元に球面収差と色収差への影響がわかる作図をしてみました。
球面収差に関しては周辺部ほど屈折量が大きくなるので負の球面収差として働きます。
間違いがあったので訂正です。
誤り
色収差に関しては青色の方が大きく屈折するので赤色よりも焦点距離が延びることになります。
正しくは
色収差に関しては青色の方が大きく屈折するので赤色よりも焦点位置が遠くにずれます。
平行平板はレンズとしてのパワーが無いので焦点距離は変わりません。
図の説明も間違っているので上記の表現に読み替えてください。
図ではd線基準になっているので赤色の焦点位置がレンズ側に移動していますがこれは
d線の焦点移動量よりもC線の移動量が少ないのでこのような形になっています。
双眼鏡の場合はこの辺りも含めて設計すると吉田正太郎先生の天文アマチュアのための望遠鏡光学に
書いてあったと思います。
最後に編集したユーザー 還暦α [ 2026年3月12日(木) 15:00 ], 累計 1 回
Re: プリズム Vs ミラー
皆様書かれておられるとおりだと思います。
プリズムを使用する目的:ミラーよりも光路長短縮 副作用:収差発生(収差量変化)
ミラーを使用する目的 :収差は発生しない 問題点:長い光路長を必要とする
プリズム双眼鏡、一眼レフファインダー等、初めからプリズムを含む光学系ではプリズムも含めて(平行平面硝子塊と考える)光学設計するので副作用は問題にならないですね。
またプリズムによる収差発生レベルはF値が小さい程影響大ですね。
もちろんプリズムの厚みが大きい程収差発生量は増大します。
軸上では還暦αさんの言われているとおり、球面収差と軸上色収差の発生(増加)が問題で、色収差は青ハロが増加する方向です。
ということでプリズム使用が前提ではないF値の小さめの望遠鏡で性能追及するような場合はミラーの方が好ましいと思います。
プリズムを使用する目的:ミラーよりも光路長短縮 副作用:収差発生(収差量変化)
ミラーを使用する目的 :収差は発生しない 問題点:長い光路長を必要とする
プリズム双眼鏡、一眼レフファインダー等、初めからプリズムを含む光学系ではプリズムも含めて(平行平面硝子塊と考える)光学設計するので副作用は問題にならないですね。
またプリズムによる収差発生レベルはF値が小さい程影響大ですね。
もちろんプリズムの厚みが大きい程収差発生量は増大します。
軸上では還暦αさんの言われているとおり、球面収差と軸上色収差の発生(増加)が問題で、色収差は青ハロが増加する方向です。
ということでプリズム使用が前提ではないF値の小さめの望遠鏡で性能追及するような場合はミラーの方が好ましいと思います。