なんちゃらカセグレン式天体望遠鏡のひみつ

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「M」
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登録日時: 2023年7月29日(土) 19:25

Re: なんちゃらカセグレン式天体望遠鏡のひみつ

投稿記事 by 「M」 »

Abbebeさん ガラクマ さん みなさん こんにちは

※「カセグレンタイプ」で「副鏡の円錐定数」が-1 かつ 副鏡拡大率が3 の場合:-
Abbebe>反射面2面の面間隔の変化(誤差)による球面収差変化(悪化)が無い(微小である)

「BFの異なるアクセサリーを取付けても副鏡フォーカスで球面収差の悪化が微小」
確かにこれは「売り」になりそうです。おもしろい!

 そこで、「面間隔を変化させても球面収差の変化」が微小になる条件」を考えてみました。
(参考にしたのは手元の教科書:『Schroeder,Astronomical Optics,2nd Ed』です。
※式(4.5.3)までは同書から。
さきに別の記事でも紹介しましたが同書のpdfが入手できます。
https://archive.org/details/0227-pdf-astronomical-optics-2nd-ed-d.-schroeder-ap-2000-ww

出発点は、式(4.5.3) p.63です。 ここで:-
K1:「主鏡の円錐定数」、K2:「副鏡の円錐定数」、m: 副鏡拡大率
ρ: f2/f1、 (f2:副鏡焦点距離、 f1:主鏡焦点距離)
exxp_1.png
 (4.5.3)は「カセグレンタイプ」の3次球面収差が0になる条件です。この式を
ρで書き換え(A.1)、さらに整理したのが(A.2)。

 さて、(A.2)の右辺をm(=副鏡拡大率)の関数として「Q(m)」と定義します(A.3)。
exxp_2.png
「Q(m)」を「m」で微分すると(A.4)。
exxp_3.png
  d/dm(Q(m0))=0を満たすm0付近ではmを微小に変えても「Q(m)」は変化しない。
(つまり K1+1 = Q(m)のママ。)それは 3次球面収差が0のママを意味します。

 d/dm(Q(m))=0となるのは、どんな場合か?の見当をつけるには、
(例えば)グラフを描いてみればよい...わけですが, 実は(”驚くべきことに”? :-)
d/dm(Q(m))は因数分解できる(A.5)!
exxp_4.png
 d/dm(Q(m))の右辺の後ろの2つの因子を合わせたものを QQ(m,K2)と
定義します(A.7)
 d/dm(Q(m))=0となるのは m = 1 か、 QQ(m,K2)=0 の場合。 さて、
たしかに、K2 = -1 かつ m = 3 でQQ(m,K2)=0 となりますね。
※あるmからQQ(m,K2)=0となるK2を求めるには(A.9)が便利。

『「AB式」とは「QQ(m,K2)=0」を満たす「2枚鏡」』 と定義できると思うのですが
いかがでしょう?
***
ガラクマ >リッチークレチアンについては...副鏡が双曲面と言っていいのでしょうか?

級数展開を使った収差論が(趣味者である「M」からは)(望遠鏡の)光学系設計の
大きな柱に見えます。 面形状を級数展開する際には、円錐曲面項+4次以上の項という
形式にすることが多いようです。※さらに、ある次数以降の項は(微小として)無視する。
 2枚鏡の場合、(軸上球面)収差が0となる厳密解は、ごくわずかしか(知られてい)ない
わけですので、ほとんどが近似解 - つまり「解は円錐曲面」といっても4次以上の項が、
ほぼかならず加わっているわけです。 そこで高次項を暗黙の前提として(「円錐曲面項」の
円錐定数に応じて)「双曲面」「楕円面」と表現している、ということではないでしょうか?
※RCの主/副鏡は(とりあえず)双曲面と、DKの主鏡は(とりあえず)楕円面と表現している。
***
ガラクマ >viewtopic.php?t=319

※「リッチー・クレチァン望遠鏡の厳密解」の話ですね。
※Linfさんに教えていただいた、Baranneの論文は(大変、参考になりましたが)
※行き止まってしまい、別の論文(査読は通っているらしいし他の論文の参考文献に
※もなっている)を読み進めていたのですが、(そうとう進んだところで)
※「話のスジ」がおかしくなってしまいました。  ちょっと(永い)お休み中です。

※※もちろん『「M」が間違っている』と思うのですが...。
※※※「対数微分」とか「積分因子」とか、「そんなの習ったっけ?」続出です。

***
Abbebe>吉田正太郎先生の本には、
Abbebe>主鏡:球面、副鏡:高次の係数項を含む双曲面によるカセグレンタイプ...

※※(偏球面でなく)双曲面となっているのは「校正もれ」だと思いますが?
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