ページ 1 / 1
戦前不明の望遠鏡、仮称「1円」
Posted: 2024年2月15日(木) 20:45
by ガラクマ
SNSにUPしましたが、今日ヤフオク1円落札した望遠鏡を、出品者が近かったこともあり、取りに行ってきました。メーカーの手がかりが現時点では全くありませんので、仮称”1円”としておきます。
この1円は、箱の中で昭和9年の新聞にくるまれてましたので、それ以前のものと思います。
銘やメーカーを推定できるものがまったくありません。
油紙がまとわりついてますが、ほぼ新品同様に見えます。ただ覗いても凄くコントラストが悪く見ずらいです。倒立です。
口径約30㎜、シングルレンズ、焦点距離750㎜程度。
アイピースは16㎜程度?、ツアイスサイズ、ハイゲンス、目側の金物がレンズをおいて外れます。五藤光学のタイプのサングラスが取り付けられます。
一番の特徴が木製架台で、ヨーロッパ、フランス等の望遠鏡にある、木工ろくろで成形しニスで仕上げた感じです、軸が通るところの内側にフェルトが貼られており、回るだけでなく、Bardouとかみたいに高さ調整ができるようになっているかと思いましたが、フリクションが弱く止まりません。これは当時からも止まりにくかったと思いますので、回転だけでしょうか?
太陽投影板も貴重です。戦前の望遠鏡では稀ではないでしょうか?
さてゆっくり素性を探していきます。分からないかもしれませんが、楽しい作業です。
Re: 戦前不明の望遠鏡、仮称「1円」
Posted: 2024年2月15日(木) 23:26
by ガラクマ
手がかりを見つけました。
箱の中で望遠鏡を巻いたり敷いたりしていた新聞を見ると、望遠鏡昭和9年の神戸新聞、旭川新聞、大阪毎日、伊勢新聞、日本工業新聞、朝日新聞、東京朝日新聞、読売新聞、それも11月2-3週間の間の日付です。
どうしてこんなたくさんの新聞が使われているのかと、考えながら新聞を見ていると、理由が分かりました。
この新聞の元の持ち主は誠文堂(昭和10年からの誠文堂新光社)です。新聞の1面に赤字で「掲載紙」の印と広告内容の記載、広告掲載部分に赤印があるのに気がつきました。それで広告を掲載していた全国の新聞を所有していたと推定します。
昭和9年には誠文堂は科学画報代理部、子供の科学代理部としてそれぞれの紙面に望遠鏡の広告を出していたと思いますので、この新聞は誠文堂自身が販売する望遠鏡に詰めた可能性があります。望遠鏡の銘がないのも合点がいきます。
ただ、メーカーは分かりません。当時は複数社から卸していたはずで、これから調べます。
Re: 戦前不明の望遠鏡、仮称「1円」
Posted: 2024年2月16日(金) 10:48
by ガラクマ
ということで、昭和9年の科学画報を調べましたが、どうもそれらしきものが見当たりません。
よく考えなおしてみると、昭和9年の新聞を捨てるのはそれよりずっと後ではないか。
もう一度新聞を全部見直してみると、昭和18年のものが一切れありました。ということは昭和18年以降ということでしょうか?
シングルレンズの望遠鏡をこんな立派な箱にいれ、木製架台もそこそこ立派。
残念ながら、この新聞がどう使われていたか、出してまとめてしまったので分かりません。
もし、後から所有者が乗せたのなら、製造とは関係ありません。
時代範囲が広がりました。
架台は木材ですが、鏡筒はブリキのようです。戦時中ではないかもしれませんが、昭和20年代以前は間違いないでしょう。
Re: 戦前不明の望遠鏡、仮称「1円」
Posted: 2024年2月17日(土) 10:54
by ひぽぽたます
片側のラックアンドピニオン形式を見ると五藤光学製の望遠鏡のような気がしますが、相当する機種名が思い浮かびません。
(ドローチューブに直接ギアが掘ってあるのも知らないし・・・)
当時ならば、国産ならば日本工学・五藤光学位しかなく、あとは舶来品・・・って筋しかないですね。
海外製ならばお手上げですね。
役立たない返信ですな(笑
Re: 戦前不明の望遠鏡、仮称「1円」
Posted: 2024年2月17日(土) 22:56
by galakuma
ひぽさん。忘れてはいけません。ダウエルもありました。他も。
この望遠鏡の、特徴の一つは木箱です(1枚目の写真)。
無垢材の角を当ててダボでとめてます。
ちなみに五藤光学の箱を調べると、戦前のコメット2型は無垢材の組み継ぎです。コメット号は大きさ形がよく似てますが、アクロマートです。
戦後昭和20年代のものと思われるウラノスやエロス号も同じ、無垢材の組み継ぎです
マークXの時代になると、ラワン合板を当てて接着剤で止めているようです。
写真はないですが、戦前のダウエルも無垢材の組み継ぎです
似たものがないですね。
Re: 戦前不明の望遠鏡、仮称「1円」
Posted: 2024年2月18日(日) 09:08
by 「原」
手元の接眼部でドローチューブに直接ギアを切ったものを見つけると
右側:ダウエル4cm(非常によく見える)
左側:ビクセン6cmF910mm用
いずれもだいぶ違いますね。
Re: 戦前不明の望遠鏡、仮称「1円」
Posted: 2024年8月04日(日) 16:25
by ガラクマ
[異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)]のスレでは、失礼しました。
レンズの反射が2個しか見えなかったので、シングルレンズと思ったのですが、見た感じ色収差が少なすぎる?ということで、分解確認したかったのです。
そして、なんとか分解出来て、確認してみるとやっぱりアクロマートレンズでした。
鈴箔(?)もあったのが、レンズの汚れもあって確認できておりませんでした。レンズ径34㎜、有効径32㎜、焦点距離800㎜です。
分解、掃除して組み立てると、反射が変わっていました。同じ天井の小さめのLED照明の反射です。
分解前は、どんなに探しても反射は二つしか無かったのですが、清掃組み立て後は大きさが違う反射が3個以上見えます。
アクロマートの正しい反射と思います。
はじめのほうがおかしいです。弱凸面2個の反射しかありません。前も後も、組み間違いはないと思うのですが、理屈がわかりません。不思議です。
間違った情報で申し訳ありません。
Re: 戦前不明の望遠鏡、仮称「1円」
Posted: 2024年8月04日(日) 16:53
by ガラクマ
これまでの情報をもって推定すると、科学画報代理部のシリウス型の亜種?ではないかと。
だいたい太陽投影版のつく望遠鏡自体、戦前は(特に小型望遠鏡では)知りません。
そして、焦点距離800㎜というのも気になるところです。科学画報社ヴィーナス号は同じスペックで、実は五藤光学が作っていたものらしいです。
(出典、星夜の逸品
https://www.domenavi.com/ippin/2014/09_5.html )
それから5年以上たって、より安価にアレンジしなおしたのが、改良型シリウス望遠鏡。それの亜種かと思います。
戦後のダウエルのカタログの対物レンズのところに、口径32㎜、焦点距離800㎜のアクロマートレンズが掲載されてました。関係あるのでしょうか。