思い出の天体望遠鏡を語る

「古スコ広場」 懐かしの望遠鏡、昔欲しかった望遠鏡、古い望遠鏡や産業を語りましょう
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ガラクマ
記事: 378
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by ガラクマ »

 初心に返り、
初めて買った(買ってもらった)天体望遠鏡。
欲しかったけど買えなかった望遠鏡(=「昔欲しかった天体望遠鏡」)
長年使った思い出の天体望遠鏡
                         を語りましょう。

  こういう話を残すのも、この掲示板の役目だと思い出しました。
 プライベートメッセージです
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ガラクマ
記事: 378
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by ガラクマ »

 私の話は、事ある毎にしているので、特に古い方はご存じでしょうが、言い出しっぺからということで。

「古スコのススメ」からの抜粋(一部修正)
********************************************
 初めに買ってもらったのがコルキットで、紙の筒とレンズのキット。架台を自作し、月などを覗いた。したかった観測ができるレベルのものではなかったが、面白く楽しく幸せだった。
新しい望遠鏡が欲しい!その思いは日増しに強くなり、月一回発行される天文雑誌を待ち望み、買って帰った日から毎日、穴のあくほど天体望遠鏡の広告を眺めた。知恵だけは身に着けていたので、「望遠鏡は口径(レンズは反射鏡の大きさ)が大きい程暗い星がよく見える。口径によって倍率を上げても良く見える上限が決まっている」程度の事は知っていた。また、望遠鏡を支える架台も重要であることを雑誌の情報で知った。残念だったのが、私の周りで望遠鏡を持っていたのは、買い与えられたものをもっていた従弟だけだった。アドバイスをくれる経験者はいなかった。
そんな状況で選んだのは、ダウエル12cm反射望遠鏡LC型。当時実績があり評判も良かった日野金属産業ミザールH-100型や新鋭の高橋製作所TS式1型は、口径が10㎝で5万円以上。ダウエルLC型は45,000円。他にダウエルにはほぼ同じ口径(114㎜)で1万円程安いモデルもあり、それに比較し架台も頑丈に見える。絶対良く見えて、架台も堅牢、通信販売しかしてないので安いんだ。地方の私には絶対狙い、疑わなかった。お金が貯まるのを待って中二の冬、注文し、舞い上がっていた。
届いた後は、学業もそっちのけで、毎晩星の観察をし、スケッチし、たまには近所の同級生を呼んで星を見せて喜んでした。それはそれで幸せな日々であった。すぐ先に悪夢が待っているとも知らず。

 高校は地元、地方の進学校。すぐ天体部に入った。新入部員は3人だったか、4人だったかよく覚えていない。ただ、熱心なのはS君と私の二人。入ってすぐに知ったのは、投稿した写真が表紙になったとか、天文雑誌に写真が掲載される先輩が何人もいたこと。先輩方は強力であった。
 ある日、S君と自分の望遠鏡を持ち寄って観測会をすることになった。
S君は私が比較対象としていたTS式1型。55,000円、最近のセールでEr(エルフレ)広角接眼鏡、10,000円相当の接眼レンズをプレゼントというチャンスに買ったらしい。実質ほぼ同額。
まずは木星。一目みて愕然とした。今まで私の愛機では、2本の縞模様と僅かなその他の模様を、眼を凝らしてスケッチしていたが、S君のでみると、難なく4本以上細かな模様が明確に見える。差は歴然。
次にM13球状星団。明確に見えるように倍率を下げ、私はH(ハイゲンス)30mm。便の底を覗くような狭い視界に白くモヤっとした星の固まり。周辺の星々も少ない。彼の望遠鏡、接眼レンズEr32㎜では、すっきりとした広い視界に、コントラスト高く星が分離し、今迄見たことが無かった球状星団の像。こちらも差は歴然。
架台を操作した感覚も全く違い強固でスムーズ。同等と言えるところはどこにもなく、にっこりしたS君に、世間知らずだった私が恥ずかしく、話す言葉がみつからなかった。

           ( 中 略 )

初めて自分で買った贅沢品。大事にしていた天体望遠鏡が粗悪品と分かった日から、トラウマを引きずって当時で約30年。
ただ、それを詳しく調べていくと、いろいろなことが分かってきた。
戦後復興の荒波にもまれた望遠鏡産業は、昭和30年代、宇宙ブームの到来と日本の高度成長期に入り、カメラや双眼鏡等とともに世界市場を席巻し、花開いた。
欧米の大企業に挑んだのは、町工場の親父さんや職人さんたち。欧米の機材を参考に試行錯誤する設計者。初めての大型レンズに四苦八苦のレンズ屋さん。小さなレンズを組み立てる手先の器用な接眼鏡屋さん。架台を作る鋳物屋さん。箱や三脚は木工屋、飲んだくれや頑固おやじ、庶民の力で世界から勝ち取ったのだ。
昭和の天体望遠鏡産業に関わる愛すべき人々の営みにたどり着いた。
それが分かった時から、トラウマは懐かしい思い出になり、ゴミとなっていた粗悪品も愛しい収集品となった。
12cm.jpg
1972-8Dauer.jpg
 プライベートメッセージです
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ガラクマ
記事: 378
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by ガラクマ »

 初めての方でも参加しやすいと思うタイトルと思うのですが、なかなか反応がありませんね。

 実は懐かしの天体望遠鏡に関して某紙での連載の話もあるのですが、すぐネタ切れしないよう皆さんのお話も聞きたいと思う次第です。
宜しくお願いいたします。
 プライベートメッセージです
ふぁいばーy
記事: 10
登録日時: 2023年11月05日(日) 08:57

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by ふぁいばーy »

粗悪品のカタログです(^^;。
静かな住宅街の中にある小さなお店でしたね。当時学生運動が華やかな頃で、
東大の赤門前というバス停で降りると、赤門はビラやら看板やらヘルメット
かぶった学生やらで騒々しかったです。

だいたい店には誰もいなくて、大声で呼ぶと奥からオジサンが出てきて
対応してくれました。たまに何人かの女性達がガシガシと顕微鏡を
組み立てていることもありました。

実家が金属加工業だった事もあり、当時の工業製品が玉石混合だったことは
子供ながらに知っておりましたが、まったく(以下自粛)。

ともあれこのカタログにはずいんぶん夢を見させて頂きました。今だにその頃
購入した15Cm鏡筒の残骸を持っていますので、いつかゾンビのように復活
させたいと思っています(^^)。

ちなみに最初の望遠鏡は8Cmくらいのシングルレンズキット(たぶんコルキット)
でした。盛大な色収差を楽しませて頂きました(^^)。
ダウエル.jpg
NGC1999
記事: 7
登録日時: 2023年6月16日(金) 18:22

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by NGC1999 »

みなさんこんばんは

 天文趣味は、近くの本屋に少年マガジンを買いに行って、天文ガイドを買って帰ってきた日に始まりました。表紙が擦り切れるまで読み、セロテープで補修したのを覚えています。
 初めての望遠鏡は、デパートで買ってもらったコルキットのシングル8cmでした。今でしたら絞って見るのでしょうが、その当時はそのような知識も無く、見え味にがっかりして箪笥の上に放り上げてしまいました。
 次に、初めて望遠鏡らしいものを覗いたのは、中3の時に友人の10cm反射経緯台でした。川のそばに住んでいた友人宅から堤防に運び上げて、夕空の月を見た記憶があります。たしか御三家の望遠鏡で、なぜかゴミが入らないようにと、サランラップを筒先に掛けて見たのですが、どのような見え味だったのかは忘れました。そんなことより、その当時は、ただただ、望遠鏡を持っているだけで、うらやましかった。
 待って待って、やっと買ってもらった最初の望遠鏡は、高校入学のお祝いのタカハシのセミアポ6.5cmS型赤道儀でした。初めて部屋の中で組み立てた時には、立派で神々しく見えました。ただし、住宅密集地にある実家は、猫の額のような庭でしたので、出すのが大変で稼働率は今一でした。どちらかというと、5~6cmの小口径屈折の経緯台の方が良かったのだと今思います。
 その後、この望遠鏡は使わないので手放したのですが、また欲しくなって手に入れています。本当に、自分でも好きだなと呆れています。これが、私の望遠鏡遍歴の始まりの頃の話となります。
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ガラクマ
記事: 378
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by ガラクマ »

 ふぁいばーさん、NGC1999さん。面白いお話、ありがとうございます。

 8㎝シングル(コルキット?)と3流反射望遠鏡の思い出が続きましたね。
奇遇すぎます。
ただ、高校入学時にTSセミアポがうらやましい限りです。

ダウエルに至っては、ご存じかもしれませんが、
「可愛さ余って憎さが百倍」という言葉がありますが、「憎さ余って可愛さ百倍」でないですが、
ご親族にお願いして商標権をとりました。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/t0201

思い出の望遠鏡、望遠鏡の思い出、みなさん。お願いいたします。
 プライベートメッセージです
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ひぽぽたます
記事: 109
登録日時: 2023年6月16日(金) 08:45

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by ひぽぽたます »

最初の望遠鏡は父に、確か小学4~5年生の頃、購入してもらいました。
服部時計店の一部門だった(?)レリア光学製の5cm経緯台でしたが、これは微動が無く、月を低倍率で見るくらいは良かったのですが、当然、DeepSkyなんぞは夢のまた、夢。
当時は、東京の片田舎でも結構、星が見えて(公害は酷かったですが・・・)いたので勿体ない事をしました。
なんでレリア光学だったのかと聞くと、当時の天文ガイドの表紙を開けると大きく1枚広告があり、専門誌に最初に載っている位だから良いものだろうと判断したそうです。
次の望遠鏡を買うまで何とか使い倒して、防湿庫保管。
最後は、ご存じの通り、望遠鏡博物館に寄贈(余生を楽しんでいるかなぁ・・・)。
その後は中学2年生の頃、お小遣い+資金援助でミザール製の60mm屈折経緯台アルコア型。
これは良いものでした。
ベランダから惑星を眺めて、一眼レフを追加で購入してトライXフィルム+パンドール増感で、経緯台なのに無理やり惑星に挑戦・・・今、考えると無謀でした。
でも土星の輪がネガで見えた時は感激したなぁ・・・・粒子荒れ荒れで眼もあてられなかったけど。
この頃使っていたアイピースはMH20mmと8mm、後に購入したOr4mm。
アルコア型はfl1000mmだったので250倍。まあ、無茶な倍率ですな。
MHはアイリリーフが短かった為、見難かったなぁ・・・。
北側の三脚を伸ばして経緯台を傾けて赤道儀にして星野撮影を試みましたが、途中で南側に転倒・破損・・・黒い思い出です。
その後は、自作に目覚め、星野先生と木辺先生の著書を片手に友人と鏡面研磨して15cm反射の自作。
そこで、ご三家(駄飢得留)の自作パーツを初めて入手。ガイド鏡バンドを取り付け、小型望遠鏡(レリア)を載せて、主望遠鏡と光軸を合わせようとネジを回すと、2個のうち1個が、ものの見事に真っ二つに割れました。
どうやら鋳物に巣が入っていた様で、そのことを電話で伝えると、ガキンチョの言う事なぞ信じてもらえず、自分で壊したと疑われる始末。
後日、父親が出てゆくと手のひらを反す様に返品・返金。
なんなんだ、この対応の違いは・・・と思い、代替品との交換は断り、二度と買う事はありませんでした。
ウエスト彗星が見えた頃、学校があるのに朝早くから毎日観望し、授業中に睡眠を繰り返していました。
双眼鏡で見たこの彗星の衝撃は、今でも色褪せず脳裏から離れません(ヘールポップ彗星もすごかったけどね)。
その後はお決まりの受験が始まり、少しの期間、天体関係から離れ、復活は五藤光学のMark-X赤道儀が出て、セミアポなどという真新しい言葉を聞き、衝撃を受けた頃。
後日談は後ほど・・・(絶対、続かないw)。
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さとう
記事: 76
登録日時: 2023年7月16日(日) 08:08
お住まい: 大阪市

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by さとう »

こんにちは。80年代に名無しの天文少年だった、さとうと申します。
その頃に使った天体望遠鏡は4本ありました。

1. オリオン望遠鏡(11歳頃)+手持ち
月を見た記憶はあります。じきに投げ出してしまいました。
徐々に分かってきたため、販売元にはそれ以上貢ぎませんでした。

2. コルキットKT-88 8cmアクロマート+スリック三脚(15歳頃)
最も大口径のセットを選んだのですが、今思えば大艦巨砲でした。
あまりにも使いづらいので、主鏡を取り外して自作もしましたが、次の反射望遠鏡の方がクリアに見えたため、結局放置となりました。

3. 10cmF6反射経緯台(15-20歳頃)
10cm反射は悲願でした。
洪博哲さんの製作記事や、川村幹夫さんの自作本、それに富田弘一郎先生が連載していた望遠鏡工学の記事などを参考に自作しました。
ビクセンの主鏡、斜鏡のセットを協栄産業から購入しています。
あれこれ工夫しましたが、最終的にはアルミ角パイプのシーソー型鏡筒にFRPでカバーを作り、アルミ角パイプで作った三脚と、ケンコーの赤緯軸2つを組み合わせた経緯台に乗せていました。
光害強烈な大阪市で、見えるか見えないかのハレー彗星もこれで見ています。
最も思い入れのあった望遠鏡です。

4. ファミスコ60S(19歳頃?)
投げ売りを衝動買いしましたが、この頃くらいから天文熱が冷め始めていたため、ほとんど星に向けませんでした。

いずれも記憶にしか残っていません。
ただし、その頃に買った、タカハシとペンタックスのアイピースは、30年余り経った現在も常用しています。
old_eye.png
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ひぽぽたます
記事: 109
登録日時: 2023年6月16日(金) 08:45

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by ひぽぽたます »

↑ 後ろに写っている三脚の林がとっ~っても気になる!(笑
青色つきこ
記事: 65
登録日時: 2023年6月12日(月) 23:44
お住まい: 日本/Japan

Re: 思い出の天体望遠鏡を語る

投稿記事 by 青色つきこ »

みなさま、こんにちわ。
思い出の望遠鏡といっても、手放してはいないし、長期保管中だけですが、思い入れはあるので。

高橋製作所のシュミットカセグレンTSC-225、フォルムが好きでいつかはと思いつつでしたが、すごーく高嶺の花でした。
生産期間も短く、すぐに発売終了となりました。
それから何年も経ち、もう出会うこともないと思っておりましたが、展示品に出会って、とても驚きました。
更に展示品とは別に保管されていたものがあり、即購入しましたが、売れなかったのでしょうか。
搭載する赤道儀もなく、結局はEM200,三脚も買うことになりましたが、
あれから、もう四半世紀以上が過ぎました。
本体だけで約10kg、EM-200も考慮すると…………。

シュミットカセグレンはJSO のNSC-12Bを長く使いましたが、不等光二重星の分離、惑星観測には不満が残ります。
TSC-225は口径が大きいので、まだ良いのですが、重いです。
より軽量なSpace10が、もっと見えれば、何の問題も無いのですが。
フローライトも使ったけど、今はケンコーのKA-608、60mm屈折経緯台が軽いし、まあ不満はあるけどトータルでは
合格点でしょうか。
TSC-225.jpg
最後に編集したユーザー 青色つきこ [ 2023年11月26日(日) 14:38 ], 累計 1 回
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