ヤフオクを流れていく名機達

「古スコ広場」 懐かしの望遠鏡、昔欲しかった望遠鏡、古い望遠鏡や産業を語りましょう
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「原」
記事: 678
登録日時: 2023年6月14日(水) 19:16

Re: ヤフオクを流れていく名機達

投稿記事 by 「原」 »

フローライトの研磨は癖があります。ガラスではなく結晶なので異方性があり、硬さが方向によって違います。そのため普通に研磨していると十字方向に磨けている部分と磨きが悪い部分が生じてしまいます。ガラスレンズ研磨で一般的な高速研磨ではトラブル多いようです。
また、柔らかすぎて(モース硬度4で)砂目が残りやすく、普通のガラスよりも砂の管理が細かくなります。作業場の異物管理も重要。総じて生産性が悪いといえます。
さらに熱膨張が大きく、大型になると検査も大変(研磨熱の残りで変形)。熱膨張係数が大きいので昔の蒸着によるコーティングでは破損する事が多かったので、スパッタリングによる成膜が汎用化されるまでコートなしが多かったです。
現在では紫外線レーザー実験用などでも生産していますので製法は確立しているのでしょうが、コンシューマーレベルで請け負ってくれるところは少ないでしょう。

フローライトの素材はスパッタ用に最高級品が使われ、検査落ち品が他の光学機器へ流れます。スパッタ用は紫外域(可視光より短波長。1/2~1/3くらい短い。)で均一性(脈理)に敏感。レンズ直径も20cm超えで厚みは数センチ。これが10枚以上使われ、斜め入射の光線を使う(Fがむちゃくちゃ明るい)ので光路長は長大です。このため面精度も均一性も妥協無しです。
望遠鏡やカメラ用では1~2枚しか使わないし近軸光線しか使わないので規格としてはずっと緩くてOKです。
ひと頃、ロシア製のフローライト素材(ステッパーには無理なレベルの性能)の売り込みがあったが、日本では宮内の双眼鏡に採用されただけだったとか。。。
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