海外製の望遠鏡をいくつか・・・。あまり持っていないのですが・・・。
13)TeleVue製 Renaissance 4枚玉セミアポクロマート (Φ100mm f5.5)
五藤テレスコープの某氏から安価に譲って頂いた鏡筒。1984~1985年頃に発売されたと記憶していますが、正確な年度は失念しました。本来は金色に輝くブラス鏡筒のはずですが、所有していた方ならば判るように直ぐに曇り、輝きを維持するのは容易ではありません。維持が容易な様にシルバー塗装されております。また、見かけによらず軽量鏡筒です。色々、国産鏡筒とはコンセプトが異なる鏡筒で、設計者の苦労があちこちに見て取れます。当時は、光学系に適した硝材が無かったためか、4枚玉にしてフラットフィールドとセミアポクロマートを達成しています。当方の個体は、僅かに光軸がずれており、高倍率観望には適しません。色々とトライましたが、納得できる状態まで追い込むことはできませんでした。色収差は、国産品だと目に感じにくい青色を飛ばすことでセミアポにしていますが、これは赤色の色ずれが目立ち、少々、眼視時に違和感があります。視野の平坦性は優秀!
14)TMB製 TMB80/480 3枚玉フローライトアポクロマート (Φ80mm f6.0)
円高の時代、米国から直輸入した個体。フローライトが使われていると、海外のHPに紹介されていましたが、販売時はそのことについて言及はありませんでした。レンズはAPM社等にOEM出荷していたものと同じだと思います。この鏡筒は、眼視において色収差が全く感じず、優秀な広視野アイピースと組み合わせると、視野全面にピンポイントの星が見え、FSQ-85EDやTOA-130を覗いた感じに似ています。ロンキー縞を見ても欠点が見当たりません。小口径アポクロマートでは最優秀の鏡筒の一つではないでしょうか?これも既にディスコンになってずいぶん経つので、今となっては手に入れるのは難しそうです。
15)SkyWatcher製 5枚玉アポクロマートESPRIT 100ED APO Quintet (Φ100mm f5.0)
同じ名前で3枚玉の製品が現行販売中だが、5枚玉の製品があった事を知っている方がどれだけいるだろうか?パーフェクトに光軸を合わせると、フルサイズ全視野でピンポイントの星像になるらしい(・・・というのも当方の鏡筒も完全には合わせ切れていない)。
普通はクッションをいれた段ボール箱に鏡体を入れて輸送するものだが、本鏡体は、同様の梱包を施した製品を、更にバネの付いた大きな段ボールの中で浮かせるようして輸送していたとの事。振動を極力与えないようにしたのだと思うが、空気を運ぶ大きなスペースが増える事になるので輸送費だけでも大変。結局、輸送中の光軸ズレが解消できず、すぐにディスコンになった悲劇の鏡筒である。ロンキー縞で判るように色収差は殆ど無く、縞の乱れも殆ど無いが、実写ではスケアリング(?)調整不足で、一部の周辺星像が乱れる。個人的にはタカハシのFSQ-106(フローライトバージョン)に真っ向勝負した意欲作だと思っている。残念ながらクレイフォード式接眼部と撮影の相性は悪く、自重でピントがずれる。詰めがちょっと甘い!