ケーニッヒという接眼レンズ

初心者はもとより、調べても分からないことは、聞いてみましょう
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ガラクマ
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登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by ガラクマ »

 最先端の露光装置はASMLの独壇場。先端半導体産業自体を牛耳っているように見えます。
光学系はミラーです。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/colum ... 030800004/
 電子立国日本と言われていた時代に半導体産業で仕事をしていましたが、私の時代はI線、G線でしたが、すでにフローライトレンズを使っていたと聞き、廃棄済のステッパーからレンズを取りだせないかと画策しましたが、とても無理でした。

 対物レンズの硝剤が利くのは周知の事実ですが、ずっと焦点距離が短い接眼レンズは色収差的には対物レンズほど利かないし、極率の小さい古い設計の接眼レンズには、高屈折ガラスの恩恵は少ないように思います。
最近のやたら極率が高く厚いレンズを組み合わせたものには効きそうですが。
 色収差以外は良好と思うラムスデンとか、EDガラスを使ったら2枚でもよく見えるんでしょうか。見てみたいものです。
最後に編集したユーザー ガラクマ [ 2025年4月08日(火) 00:18 ], 累計 2 回
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Abbebe
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登録日時: 2023年6月14日(水) 11:03
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Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by Abbebe »

新硝材開発の根拠である高屈折率化についてどうも否定されてしまいました!
硝材開発の歴史が否定されたようで大変残念です!

菅原氏の発明は接眼レンズにおいて同構成でも硝材を旧硝子から新種硝子に変更することによって、
高性能化、具体的には球面収差の向上(対物F値が小さくなっても対応可能となる方向)、
見掛け視野の広角化、アイレリーフの拡大等について性能等向上を図ったものだと考えます。
まあ写真レンズの為の硝材開発の恩恵を望遠鏡(ここでは双眼鏡)にも流用したということではあると思いますが、
最新硝材開発~採用によって望遠鏡機材においても確実に性能向上になっていると思うんですけどね。

ED硝子はBK7よりも屈折率が低いので単玉のBK7をED硝子に置き換えると球面収差が悪化します。
ラムスデンであれば現代の発想的には高屈折率ED(ガドロンタイプ)等に置き換えることを考えるのが正解だと思います。
Abbebe
記事: 104
登録日時: 2023年6月14日(水) 11:03
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Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by Abbebe »

オリジナルケーニッヒ1915と、菅原1996の分離部分を貼付けに変更等、私が少々手を加えた新種硝子(LaC14、FDS90)ケーニッヒタイプの2とおりの接眼レンズ光学系ついて収差図を描いてみました!
焦点距離は10mm、対物レンズ射出瞳距離1000mm、F5の同条件下で、目の瞳を入射絞り(10mmF5なのでφ2.0mm)として対物レンズ像面に結像するように逆向き光線追跡をした収差図です。
この方法は瞳球面収差等精密な評価は出来ない便宜的評価法ということで御理解願います。
なお、見掛け視野角については、オリジナルケーニッヒは45°でやや蹴られ気味状態、新種硝子ケーニッヒタイプの方はR2、R3、R4の曲率半径がグッと大きくなったことによって余裕が発生したことも有り、50°で評価しています。
 1.オリジナルケーニッヒ10mm45°
 2.新種硝子ケーニッヒタイプ10mm50°
F5での球面収差、周辺性能共に向上しているのが解ります!歪曲収差は残念ながら悪化してしまいましたが。
ケーニッヒオリジナル45abe.jpg
ケーニッヒ阿部50abe.jpg
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木村
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登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

Abbebeさま,お詳しいですね.

青色さまが示して下さった図から,元祖ケーニッヒと比較して屈折率を0.2上げてあるってのは,最初に図を見たときに気が付いてましたよ.もちろん,何のガラスに変えたのかは分かりませんけど.で,Abbebe様の設計の解釈の事(屈折率を上げたのだから,曲率半径が・・・・球面収差が・・・・)も,同じ様に想像できてました.ランタンを混ぜたガラスを使った接眼レンズは,昔々,ビクセンがLvシリーズという名で出してましたね.だけど,別に光学ガラスの発達を否定するとかは,めっそうも考えてません.単に,私は化学が不得意だったってだけの事です.それから高性能な光学系ってのには,もうあまり興味が湧きません.良く見える高級接眼レンズや,良く写るカメラレンズの類は,家にゴロゴロ転がっていますので.年寄りって,こんなものです.お相手できませんで,大変,失礼しました.

それと,私は「形が仕事をする物」って好きです.例えば,ロータリーエンジンのオムスビ型ローターとか,昔の戦闘機震電の層流翼の翼断面とか,こけしの頭がグリグリする変速機とか,あと形なら砂漠の砂に残る風紋,フラクタルなんかも好きです.

天文学も「形の美しさの原因を探る科学」と言えなくもないではないですか?
Abbebe
記事: 104
登録日時: 2023年6月14日(水) 11:03
お住まい: 愛媛県新居浜市

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by Abbebe »

木村さん、このような内容を私宛にいただいたことを大変残念に思います。
まず、高屈折率化とか光学硝子の発達について否定されたと書いたのは木村さんに対してでは無くてガラクマさんの書込み内容に対してです! 
木村さんからのそのような内容は私の認識には無いです。
タイムラグの影響もあるんでしょうか?

それから私に対してこれまで別スレッドも合わせて2回の冒頭に「お詳しいですね」と書かれていますが本来の文面どおりの意味でしょうか? よく解らないです。本来の意味が知りたいところです。
お相手できませんで、大変,失礼しました.というのも私には良く理解出来ないですね。

まあ聞きたくも知りたくも無い内容です!という意味であることは理解出来ますよ!

恐らくケーニッヒをテーマにしたこのスレッドに私の持論である光学硝子の発展を書き込んだのがよろしく無かったのだと思いますが、書込みは自由であるべきと思っているので思ったことはどんどん書込みさせていただきたいと思います。
最後に編集したユーザー Abbebe [ 2025年4月08日(火) 23:24 ], 累計 3 回
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ガラクマ
記事: 690
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by ガラクマ »

 まあ、前から続く掲示板が長く続いてきたのは、自分と違った意見を持った方が自由に書き込める場であったこと思ってます。
 たとえは、私も硝材の高屈折率化にももちろん興味はありますが、もし私か誰かが興味が無かったとしても、何かを、誰かを否定することはないのが、この掲示板です。
そんな感じなんで、まったりとお願いいたします。
最後に編集したユーザー ガラクマ [ 2025年4月09日(水) 09:59 ], 累計 1 回
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木村
記事: 41
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

 光学ガラス材については,小さいレンズは屈折分散の直線から外れたガラスの効果が有るのですけど,こと天体望遠鏡の性能を決めるのは,昔も今も対物光学系の口径です.デッカイ方が良く見える.残念ながらこけおどしって事も有りますけどね(笑い)で,大きいのは反射式にならざるを得ないってのがあります.

だけど,20cm以上の対物レンズを自作する人も,たまにいます.その時,新種ガラスは止めた方が良いってのが自分の感想です.BK7+F2の古典的な組み合わせで25cmと,同時期にフリント側に新しいガラスを使った同口径の人の,2人が同時期に挑戦してた事がありました.私は前者の光学設計役でした.フランフォーファー型をモディファイしたもので,第2,第3曲率を等曲にしてガラス間隔をパラメータ化にした独自の設計です.

前者は完成したのです.
ただ,自作に良く有る話しで,レンズが完成したところで情熱が燃え尽きてしまって,鏡筒まで作れなくて大きなレンズが空を向くことは有りませんでしたが,まぁ趣味ですから良いことにしましょう.何時か,お孫さんあたりが実機にしてくれるでしょうから(^^

ところが,後者の方は完成しなかったのです.
25cmともなると,ガラス材の均質性が重要になってきます.修正研磨の段階に入ってから,かなりの屈折率の斑があることが分かり,そのままだと15cm級の性能も出ないみたいだって事が分かったのです.試みに,屈折率の高い所だけガラスを削って曲率を下げるという,考えてみれば凄い事をやってみたのですが,やればやるほど混沌としたドツボにはまっていって,ついに制作者の力も尽きたのです.

F2は酸化鉛なので重たいんですけど,均質な大塊が取れるんだそうです.それが鉛が害だってんで作らなくなってしまい,最近は手に入らないそうです.屈折を手作りしてみたい人にとっては,旧型ガラスの復活が夢だそうです.
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木村
記事: 41
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

ガラクマさま

 すごいですね.
ステッパーの仕事されてたのですか.

>反射式です.

紹介のHPから,他の方のために反射式ステッパーの図だけ示しました.
形の美しさに惹かれる私でも,頭が痛くなります.

星好きの人には,軸外し系光学系としてシーフシュピグラーが知られてます.しかし,あれの原論文では球面反射鏡が3枚まで,基本は球面2枚でした.現代版としては,今,東北大学の天文の人達が作ってたと思いましたが,切り取り放物面の主副だったと思います.

でも,この反射式ステッパーは,もう付いていけません.(TT
これの光学部品で,凸球面の6cmくらいのがあったら欲しいけど(凸で精度が信頼できる物って,めったに無いので).
無題2.png
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ガラクマ
記事: 690
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by ガラクマ »

私は半導体産業に従事しているときから現在まで、なんの特定分野の専門家にもなったことが無いので、専門家の皆さんのお詳しい話には興味津々です。

 昔、オリンパスが顕微鏡の対物レンズに色収差等を嫌って反射式の対物レンズを作っておりました。
カセグレン式の変形と思いますが、露光装置はサポーターの遮蔽(回折)も許されないので、軸外ししかないのでしょうね。
 ところで、本文中に鏡面は”表面粗さ50pm以下の精度で磨かれており”とありますが、シリコンやアルミの原子間距離は0.3nm=300pmくらいと習いました。原子間距離の1/10レベルの表面粗さとはどんなものでしょうか?
実際、原子間距離以下の厚みも計れてましたが、どうなっているかは知りません。

話、だいぶん横道に入りましたが。
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木村
記事: 41
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

>反射式の対物レンズを作って・・・

 顕微鏡のステージ下のコンデンサーレンズで反射式は聞いたことがありますが,対物レンズでは知らなかったので検索してみると・・・・あ,まだ有りますよ.

https://www.thorlabs.co.jp/newgrouppage ... up_id=6933

スパイダーが工夫されてますね.丁度,回折像が打ち消し有うようにしてあって,像のコントラストをあげるように曲げたのでしょう.曲げ方も3本が少しずつ違うように見えます.これは,反射望遠鏡にも応用が効くんですけど剛性が出ないので,そこが難しい.

>表面粗さ50pm以下・・・

二乗平均平方根で表現しているのでしょう.
適当な広さの平面に,まったいらに並んでいる原子100個のうち,深さ1原子の穴が10個あり,1原子よけいに乗ってる場所が10個あるとすると,

RMSエラー=√[1/100*{(1-0)^2*10+(-1-0)^2*10+0*80}]=√[1/100*(10+10)]≒0.45

この場合,粗さは0.45原子サイズってことになります.

ちょっと仕事が混んできましたので,しばらく後日.
添付の画は,あの特許の人らしい方のスケッチ.
無題.png
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