凸双曲面鏡の検査方法についてちょっと書かせていただきます。
世間話/「光学専門書におけるリッチークレチアン式反射光学系の扱い」にて紹介いたしました「レンズ光学の泉」(渋谷眞人著2023年12月発行)のP72に、
凸双曲面鏡検査用として「ヒンドル鏡」が提案されています。
「ヒンドル鏡」と呼ばれる球面鏡治具を用いることによって凸双曲面鏡のヌルテストが可能となります。
その昔(1996年頃)「天文ガイドインタラクティブ」のタカハシ製ベーカーリッチークレチアン式アストロカメラのメーカーからのインタラクティブ記事中に、球面鏡を使って凸双曲面鏡を検査する技術を開発、量産化を可能にしたと有ります。
これは正に上述「ヒンドル鏡」のことだと考えられます。
残念ながらその後タカハシはベーカーリッチークレチアン方式からは撤退してしまったのでヒンドル鏡についての説明がカタログ等に書かれることは無かったようです。
また吉田正太郎先生の本にはオフナー法と称してヌルコレクターを用いて凸双曲面を検査することが確立されていてそれはパーキンエルマー社(あのハッブル望遠鏡製造担当メーカー)で開発された!とあります。
話は飛びますが、木辺氏、星野氏の本にはカセグレン用の凸双曲面鏡は反対形状の凹双曲面治具を一旦製作してニュートンフリンジテストを行うと記述されていますが、
近年、西村製作所からの学会発表内容としてニュートンフリンジテストでは高精度の凸双曲面鏡の製造は不可能で有り、大型平面鏡を使用した望遠鏡全体のオートコリメーションテスト(ダブルパスヌルテスト)を行うことのみが高精度の凸双曲面鏡を製造可能とする唯一の方法であると発表されています。
もう一点紹介させていただくと、岡山の某反射鏡製作メーカーのHPにはカセグレン式は実星像テスト(シングルパスヌルテスト)のみが良い物を製造出来る検査方法であると書かれています。これは平面鏡が調達出来ない場合であって平面鏡が調達できれば上述西村製作所の発表内容に同意していると考えて良いと思います。
以上について私流に考えると、テストの為に専用治具やコレクターレンズを製作してテストすることが原理的に正しいとしてもその治具等の製作精度や、セッティング精度等でコストも技術も必要で一つ間違えるとハッブルのような失敗の可能性も有り、実際には出来るだけ実使用に近い状態で最低でも平面鏡のみを準備することで可能なテスト方法を採るのが最良なのではと考えられ、ダブルパスヌルテストを行って製作するのが良いのではないかと考えています。いかがでしょうか?
以上が結論です。
もう一点だけ紹介させていただくと、凸面鏡は裏面(平面)反射によって凸レンズ+平面裏面鏡状態、すなわち疑似凹面鏡として検査することが可能で有り、1970年代頃に発表されています。
この場合、硝子が透明であること、屈折率が公表されていて均質屈折率が保証されていること等が必要条件であって材質的には溶融石英等が適用可能と考えます。
しかし実際の望遠鏡状態とは異なる光学系ですからやはり最終テストには不向きであって初期テストとして適しているのではないかと考えています。
自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
最後に編集したユーザー Abbebe [ 2024年4月08日(月) 11:00 ], 累計 1 回
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
凸双曲面鏡裏面テストですが、凸面側から入射させて裏面(平面)で反射させるのでは無くて、平面側から入射して凸双曲面の裏面にて反射させてテストを行うのが正解ですね!
こちらでないと検査精度が出ないようです!失礼いたしました。
屈折率と中心厚が既知であれば「みなしパラボラ係数」が算出可能で、すなわち輪帯毎移動量(修正量)が算出され、凹面鏡と同様に輪帯毎移動量測定が可能になる訳です。
それから「ヒンドル鏡」ですが、以前「M」さんから御紹介いただいた「Parks and Shao(1988)」において説明されておりましたね。
大変失礼いたしました。
「レンズ光学の泉」P72のヒンドル鏡の説明図です。
こちらでないと検査精度が出ないようです!失礼いたしました。
屈折率と中心厚が既知であれば「みなしパラボラ係数」が算出可能で、すなわち輪帯毎移動量(修正量)が算出され、凹面鏡と同様に輪帯毎移動量測定が可能になる訳です。
それから「ヒンドル鏡」ですが、以前「M」さんから御紹介いただいた「Parks and Shao(1988)」において説明されておりましたね。
大変失礼いたしました。
「レンズ光学の泉」P72のヒンドル鏡の説明図です。
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
Abbebeさん こんにちは
「深い球面鏡」というのが「ヒンドル鏡」(「ヒンドル球」)ですね。
『天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編』 の図8.30(p.242)は、放物面(凹)鏡についてですね。
※
※「The Hubble Space Telescope optical systems failure report」(pdf)は
※趣味者にとっても興味深いものです。https://ntrs.nasa.gov/search.jsp?R=19910003124
※※同URLに、「Executive Summary」の「Summary」あり。
※
※(Reflective null correctorを検証するための)inverse null correctorと
※(vertex Rocを測定するのが主目的の)Refractive null corrector(オフナー法?)の
※両方からの「赤信号」が、(それらのほうが間違っているとされて)無視された...と
※いうこと、そのような判断がなされた背景(事情)が報告されています。
だいぶ後でしたねぇ...。
※その場合は「フィゾー」配置ということになりますか。
※この方法は『天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編』 の図8.36(p.199)
※(= 西ドイツ・カール・ツァイス社のC.キューン...(の)報告)
※と等価だと思うのですが...。
※ところで同ページに「ヒンドゥル法」の図があります。が、本文では簡単に
※触れられているだけ...。
(真の)ナルテストになるわけですね:
※双曲平凸レンズは、たとえば、『吉田正太郎,光学機器大全』 図 5-8 双曲面レンズ(p.242。)
機会があれば投稿します。
※※※※※
投稿いたします。
はい。それから『木辺成麿,新版 反射望遠鏡の作り方,1968』 図 162 B(p.242)のAbbebe さんが書きました: 「ヒンドル鏡」ですが、以前「M」さんから御紹介いただいた「Parks and Shao(1988)」において説明されておりました
「深い球面鏡」というのが「ヒンドル鏡」(「ヒンドル球」)ですね。
「オフナー法」は凹鏡(主鏡)用ではないでしょうか?Abbebe さんが書きました: また吉田正太郎先生の本にはオフナー法と称してヌルコレクターを用いて凸双曲面を検査することが確立されていてそれはパーキンエルマー社(あのハッブル望遠鏡製造担当メーカー)で開発された!とあります。
『天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編』 の図8.30(p.242)は、放物面(凹)鏡についてですね。
※
※「The Hubble Space Telescope optical systems failure report」(pdf)は
※趣味者にとっても興味深いものです。https://ntrs.nasa.gov/search.jsp?R=19910003124
※※同URLに、「Executive Summary」の「Summary」あり。
※
※(Reflective null correctorを検証するための)inverse null correctorと
※(vertex Rocを測定するのが主目的の)Refractive null corrector(オフナー法?)の
※両方からの「赤信号」が、(それらのほうが間違っているとされて)無視された...と
※いうこと、そのような判断がなされた背景(事情)が報告されています。
(凹面の)「球心に光源をおく/球心で観察する」のだよ、と教えてもらったのは、Abbebe さんが書きました: 話は飛びますが、木辺氏、星野氏の本にはカセグレン用の凸双曲面鏡は反対形状の凹双曲面治具を一旦製作してニュートンフリンジテストを行うと記述されていますが、
だいぶ後でしたねぇ...。
※その場合は「フィゾー」配置ということになりますか。
※どんな論法(論証方法)なのでしょうね? それとも事例研究的な発表なのかしらん?Abbebe さんが書きました: 近年、西村製作所からの学会発表内容としてニュートンフリンジテストでは高精度の凸双曲面鏡の製造は不可能で有り、大型平面鏡を使用した望遠鏡全体のオートコリメーションテスト(ダブルパスヌルテスト)を行うことのみが高精度の凸双曲面鏡を製造可能とする唯一の方法であると発表されています。
※この方法は『天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編』 の図8.36(p.199)
※(= 西ドイツ・カール・ツァイス社のC.キューン...(の)報告)
※と等価だと思うのですが...。
※ところで同ページに「ヒンドゥル法」の図があります。が、本文では簡単に
※触れられているだけ...。
この場合、「双曲平凸レンズの離心率」が硝材の(相対)屈折率に等しければ、Abbebe さんが書きました: 凸面鏡は裏面(平面)反射によって凸レンズ+平面裏面鏡状態、すなわち疑似凹面鏡として検査することが可能で有り、1970年代頃に発表されています。
(真の)ナルテストになるわけですね:
※双曲平凸レンズは、たとえば、『吉田正太郎,光学機器大全』 図 5-8 双曲面レンズ(p.242。)
はい。共役点に光源,ナイフをおく... 試しに自分でも計算をしてみました。Abbebe さんが書きました: 凸双曲面鏡裏面テストですが、凸面側から入射させて裏面(平面)で反射させるのでは無くて、平面側から入射して凸双曲面の裏面にて反射させてテストを行うのが正解ですね!
機会があれば投稿します。
※※※※※
私見を書き始めたのですが、まとまりません。これも、もう少し整理ができたらAbbebe さんが書きました: テストの為に専用治具やコレクターレンズを製作してテストすることが原理的に正しいとしてもその治具等の製作精度や、セッティング精度等でコストも技術も必要で一つ間違えるとハッブルのような失敗の可能性も有り、実際には出来るだけ実使用に近い状態で最低でも平面鏡のみを準備することで可能なテスト方法を採るのが最良なのではと考えられ、ダブルパスヌルテストを行って製作するのが良いのではないかと考えています。いかがでしょうか?
投稿いたします。
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
宇治天体精機さんは50cmクラスは副鏡が無メッキでも1~2等星ならナイフエッジテストできるので、仮組して規定の焦点位置での状況を観察して副鏡の修正研磨するそうです。いろいろ試したが、実用状態での試験が検査治具の誤差や組立誤差を考えなくても良いので、結局これが一番だったとか。
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
「原」さん こんにちは
凸球面を作る:-
・およそのRoc(曲率半径)を決めるのは砂掛けでやる?
※鉄(金属)皿を使うのでしょうかね。
・砂目をとりながらRocを追い込む...。
ほぼ球面から、いきなり「実用状態」の修正研磨を繰り返すのでしょうか?
※その辺が「営業秘密」なのでしょうね。
この段階に入る前の工程は、どうなっているでしょうね?「原」 さんが書きました: 宇治天体精機さんは50cmクラスは副鏡が無メッキでも1~2等星ならナイフエッジテストできるので、仮組して規定の焦点位置での状況を観察して副鏡の修正研磨するそうです。いろいろ試したが、実用状態での試験が検査治具の誤差や組立誤差を考えなくても良いので、結局これが一番だったとか。
凸球面を作る:-
・およそのRoc(曲率半径)を決めるのは砂掛けでやる?
※鉄(金属)皿を使うのでしょうかね。
・砂目をとりながらRocを追い込む...。
ほぼ球面から、いきなり「実用状態」の修正研磨を繰り返すのでしょうか?
※その辺が「営業秘密」なのでしょうね。
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
苗村氏がオートコリメーションフーコーテスト(=ダブルパスヌルテスト)を実施している写真を見つけました!
F3mirrorさんのBlog「反射望遠鏡の自作状況のブログ」にもダブルパステスト(RFTによる)実施中の写真が存在しています。
(今回リンクは控えておきます。20200515です)
F3mirrorさんのBlog「反射望遠鏡の自作状況のブログ」にもダブルパステスト(RFTによる)実施中の写真が存在しています。
(今回リンクは控えておきます。20200515です)
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
閲覧数が10,000件に達したようですね! 私のCRC300の内容について多数の皆様に見ていただけていることに
感謝申し上げます。
このCRC300ですが、実は最近ガイドスコープをφ60mmf240mm(SvBONY製)からφ70mmf400mm(Astromania製)に
アップグレードしています。
最近の小型屈折機はEDレンズやSDレンズによるアポクロマートが主流ですが、ガイドスコープということで価格最優先で
アクロマート機です。
以前にこのフォーラムで紹介しましたアクロマート用「青ハロキラーフィルター」をPlayerOne社の白黒カメラCeres-Mに
取り付けてPHD2にてオートガイドをしていますが、今回ガイドスコープの焦点距離を1.67倍に延ばした訳ですが、どうも
焦点距離を伸ばしただけでガイド精度が1.67倍に向上するというような単純な甘い話にはならないようですね。
ということで現在PHD2のパラメータ等のチューニングを試行錯誤しています。
それから時間があればこのφ70mmf400mm(F5.7)の直焦点(もちろん青ハロキラーフィルター使用で)撮影を行って
DSO等がどの程度の写りになるのか確認してみたいとも考えています。
2024年春にCRC300(0.69倍レデューサー使用、カメラ:ZWO ASI294MC)で撮影した春の渦巻銀河4選を添付させていただきます。
感謝申し上げます。
このCRC300ですが、実は最近ガイドスコープをφ60mmf240mm(SvBONY製)からφ70mmf400mm(Astromania製)に
アップグレードしています。
最近の小型屈折機はEDレンズやSDレンズによるアポクロマートが主流ですが、ガイドスコープということで価格最優先で
アクロマート機です。
以前にこのフォーラムで紹介しましたアクロマート用「青ハロキラーフィルター」をPlayerOne社の白黒カメラCeres-Mに
取り付けてPHD2にてオートガイドをしていますが、今回ガイドスコープの焦点距離を1.67倍に延ばした訳ですが、どうも
焦点距離を伸ばしただけでガイド精度が1.67倍に向上するというような単純な甘い話にはならないようですね。
ということで現在PHD2のパラメータ等のチューニングを試行錯誤しています。
それから時間があればこのφ70mmf400mm(F5.7)の直焦点(もちろん青ハロキラーフィルター使用で)撮影を行って
DSO等がどの程度の写りになるのか確認してみたいとも考えています。
2024年春にCRC300(0.69倍レデューサー使用、カメラ:ZWO ASI294MC)で撮影した春の渦巻銀河4選を添付させていただきます。
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
CRC300ベランダシステムは2022年7月に本格稼働スタートしており、ファーストライトはこぎつね座の亜鈴状星雲M27でした。
2024年7月3日、3年目に突入ということで最新のM27画像です。
×0.69レデューサー(自作)使用 f1970mmF6.6
ZWO ASI294MC UV/IRフィルター使用 8s×120(16m) SI9処理
2024年7月3日、3年目に突入ということで最新のM27画像です。
×0.69レデューサー(自作)使用 f1970mmF6.6
ZWO ASI294MC UV/IRフィルター使用 8s×120(16m) SI9処理
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
CRC300望遠鏡では勿論眼視も行っています。
電視観望や撮影を北が上でやっているとやはり正立像が欲しくなり、正立ミラーシステムであるマツモトEMSシステムを使用しています。
EMSシステムは双眼用のイメージが強いですが、単眼にもお薦めです。
バックフォーカス的には140mmが必要であり、CRC300設計時の重要な前提条件となりました。
実は近年、正立ミラーシステムに対して光路長(必要バックフォーカス量に対応)で有利になる正立プリズムシステム(ビノテクノEZPシステム等)が出て来たりもしているのですが、ここではプリズムシステムでは無くてミラーシステムを使用している理由を示したいと思います。
図はCRC300の収差図(左側)とスポットダイヤグラム(右側)を示しています。
最大像高14.0mm(Yimg)まで評価しており、撮影の場合はAPS-Cサイズに対応、
接眼レンズによる眼視の場合は視野数28mm(φ31.7mm規格接眼レンズの場合のほぼ最大視野環直径)に対応します。
上側の図はCRC300オリジナル状態であり、松本EMS等のミラーシステムを追加しても性能は変化しません。(勿論平面精度に問題が無い前提です)
これがミラーシステムのメリットです。
下側の図は実厚みt50mm(想定の仮値)のBaC4製プリズム相当ブロック(プリズムシステムを想定)を挿入した状態であり、
このようにプリズムシステムを追加した場合は球面収差と軸上色収差が(特に軸上色収差が)大きく悪化し、スポットも肥大します。
プリズム双眼鏡等は実は接眼レンズもプリズムシステムも含めて全体で最適化設計するのでこのプリズムによる悪化は問題にならないのですが、
プリズムシステム無しのオリジナル状態で最適化された望遠鏡に後で追加使用する場合は問題になるということですね。
なお、光量損失的には、アルミ蒸着ミラー2面で-15%程度ですが、全反射のプリズムシステムは2面のマルチコートと硝子の内部損失を合わせても-2%程度であり、プリズムシステムの方がグッと有利ですね。
電視観望や撮影を北が上でやっているとやはり正立像が欲しくなり、正立ミラーシステムであるマツモトEMSシステムを使用しています。
EMSシステムは双眼用のイメージが強いですが、単眼にもお薦めです。
バックフォーカス的には140mmが必要であり、CRC300設計時の重要な前提条件となりました。
実は近年、正立ミラーシステムに対して光路長(必要バックフォーカス量に対応)で有利になる正立プリズムシステム(ビノテクノEZPシステム等)が出て来たりもしているのですが、ここではプリズムシステムでは無くてミラーシステムを使用している理由を示したいと思います。
図はCRC300の収差図(左側)とスポットダイヤグラム(右側)を示しています。
最大像高14.0mm(Yimg)まで評価しており、撮影の場合はAPS-Cサイズに対応、
接眼レンズによる眼視の場合は視野数28mm(φ31.7mm規格接眼レンズの場合のほぼ最大視野環直径)に対応します。
上側の図はCRC300オリジナル状態であり、松本EMS等のミラーシステムを追加しても性能は変化しません。(勿論平面精度に問題が無い前提です)
これがミラーシステムのメリットです。
下側の図は実厚みt50mm(想定の仮値)のBaC4製プリズム相当ブロック(プリズムシステムを想定)を挿入した状態であり、
このようにプリズムシステムを追加した場合は球面収差と軸上色収差が(特に軸上色収差が)大きく悪化し、スポットも肥大します。
プリズム双眼鏡等は実は接眼レンズもプリズムシステムも含めて全体で最適化設計するのでこのプリズムによる悪化は問題にならないのですが、
プリズムシステム無しのオリジナル状態で最適化された望遠鏡に後で追加使用する場合は問題になるということですね。
なお、光量損失的には、アルミ蒸着ミラー2面で-15%程度ですが、全反射のプリズムシステムは2面のマルチコートと硝子の内部損失を合わせても-2%程度であり、プリズムシステムの方がグッと有利ですね。
Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡
Abbebe様
ご存じかもしれませんが眼視用であれば可視光域だけで良いと思いますのでこちらの広帯域誘電体多層膜ミラーの
-E02コーティングの物が使えると思います。
https://www.thorlabs.co.jp/newgrouppage ... oup_id=139
「仕様」タブをクリックして「Ravg > 99% (400 - 750 nm)」の部分をクリックすると分光反射率が表示されます。
400~800nmでほぼ99%の反射率です。
基板は溶融石英なので温度変化に強いと思います。
1インチ角で11,127円です。
https://www.thorlabs.co.jp/thorproduct. ... =BBSQ1-E02
20,000円以下の注文では手数料1,000円が必要になります。
https://www.thorlabs.jp/Order.htm
入射角0~45度の仕様になっていますので明るい光学系では光軸から遠い外周部の光は入射角45°を大きく
超える可能性があるので反射率低下が起きるかもしれません。
(分光反射率グラフが正しければ800nmあたりまで伸びているので少し大きい角度までいけそうです)
エドモンドオプティクス、シグマ光機(円形のみ)にも同種の製品があります。
https://www.edmundoptics.jp/f/broadband ... ors/14710/
https://jp.optosigma.com/ja_jp/tfvmq-25.4c05-4/7.html
ご参考まで。
ご存じかもしれませんが眼視用であれば可視光域だけで良いと思いますのでこちらの広帯域誘電体多層膜ミラーの
-E02コーティングの物が使えると思います。
https://www.thorlabs.co.jp/newgrouppage ... oup_id=139
「仕様」タブをクリックして「Ravg > 99% (400 - 750 nm)」の部分をクリックすると分光反射率が表示されます。
400~800nmでほぼ99%の反射率です。
基板は溶融石英なので温度変化に強いと思います。
1インチ角で11,127円です。
https://www.thorlabs.co.jp/thorproduct. ... =BBSQ1-E02
20,000円以下の注文では手数料1,000円が必要になります。
https://www.thorlabs.jp/Order.htm
入射角0~45度の仕様になっていますので明るい光学系では光軸から遠い外周部の光は入射角45°を大きく
超える可能性があるので反射率低下が起きるかもしれません。
(分光反射率グラフが正しければ800nmあたりまで伸びているので少し大きい角度までいけそうです)
エドモンドオプティクス、シグマ光機(円形のみ)にも同種の製品があります。
https://www.edmundoptics.jp/f/broadband ... ors/14710/
https://jp.optosigma.com/ja_jp/tfvmq-25.4c05-4/7.html
ご参考まで。