わかりやすい解説ありがとうございます。
普通のマルチコートは緑色。高級なのは赤紫色に反射のイメージが、ご紹介されたサイトで確認できました。緑色は干渉色だったんですね。
グリーンフィルムがマルチコートであることは理解できてましたが、シングルコートをブルーフィルムと呼ぶのは、通常の可視光全体の反射を低減するのではなく、アクロマートレンズの青ハロの低減のため、あえて青を反射するようにしているため、そう呼ぶのかな。と思った次第です。
話またまた横道ですが、ご紹介されたサイトを見て気がついたのですが、一番外側のコーティング膜にTio2を使ったら、光触媒としてレンズが汚れにくくなったりするのでしょうか。定点カメラ等メンテしにくい場所のレンズに良さそうですね。
青ハロキラーフィルター
Re: 青ハロキラーフィルター
ガラクマ様、皆様こんにちは。
TiO2の光触媒作用の話はコロナ禍で一気に広まりましたね。
私は学生の時(80年代前半)に先輩の研究を引き継いでTiO2に不純物を入れたものの電気特性を測定していたので
TiO2にはなじみがあります。(しばらくして別の材料に鞍替えしてしまいました)
当時も光触媒の話はありましたが実用にはなっていなかったので「そんな現象もあるんだ」という感じでした。
光触媒作用は日本で発見されていたんですね。知りませんでした。
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/feat ... 00057.html
私はノーベル賞をもらっても良いような発見だと思います。
ついつい脱線してしまうのですが、本題に戻ると反射防止膜は空気と接する面に低屈折率材料を配置するのが
一般的です。
その理由は1面目(空気と接する面)での反射をその下にある面の反射で打ち消さなければならず
1面目の反射率が高い=表面が屈折率の高い膜になっていると層数を多くすることになるか、
あるいは反射防止膜にできないからだと思います。
理想的には屈折率1.25程度の材料があると空気と膜、膜とガラスの反射率が近くなるので単層でもかなり
低い反射率に出来るはずですが固体でそんな物質は存在しないのでMgF2やSiO2が使われています。
TiO2は高屈折率材料なのでこのような理由で一番上の層に使わないのでしょう。
光触媒機能でカビが生えなくなるとすれば可能なら一番上の層にTiO2を使ってみるのも面白そうですね。
膜が薄すぎて十分な機能が得られないかもしれません。
また、紫外線が必要なので押し入れの中にしまい込んだレンズではだめですね。
紫外線が必要という意味ではガラクマ様のおっしゃっている定点カメラなどの屋外に設置されているもの
には良さそうですね。
TiO2は結晶化させれば安定な物質なので、分厚くつけて反射防止膜ではなくカビ防止膜というのもありかもしれません。
私はコーティングしていない面よりもコーテイングされている面の方がカビが生えやすい印象があるのですが
皆さんどう思われますか?(本来のお題から外れてしまっていますがご容赦を)
TiO2の光触媒作用の話はコロナ禍で一気に広まりましたね。
私は学生の時(80年代前半)に先輩の研究を引き継いでTiO2に不純物を入れたものの電気特性を測定していたので
TiO2にはなじみがあります。(しばらくして別の材料に鞍替えしてしまいました)
当時も光触媒の話はありましたが実用にはなっていなかったので「そんな現象もあるんだ」という感じでした。
光触媒作用は日本で発見されていたんですね。知りませんでした。
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/feat ... 00057.html
私はノーベル賞をもらっても良いような発見だと思います。
ついつい脱線してしまうのですが、本題に戻ると反射防止膜は空気と接する面に低屈折率材料を配置するのが
一般的です。
その理由は1面目(空気と接する面)での反射をその下にある面の反射で打ち消さなければならず
1面目の反射率が高い=表面が屈折率の高い膜になっていると層数を多くすることになるか、
あるいは反射防止膜にできないからだと思います。
理想的には屈折率1.25程度の材料があると空気と膜、膜とガラスの反射率が近くなるので単層でもかなり
低い反射率に出来るはずですが固体でそんな物質は存在しないのでMgF2やSiO2が使われています。
TiO2は高屈折率材料なのでこのような理由で一番上の層に使わないのでしょう。
光触媒機能でカビが生えなくなるとすれば可能なら一番上の層にTiO2を使ってみるのも面白そうですね。
膜が薄すぎて十分な機能が得られないかもしれません。
また、紫外線が必要なので押し入れの中にしまい込んだレンズではだめですね。
紫外線が必要という意味ではガラクマ様のおっしゃっている定点カメラなどの屋外に設置されているもの
には良さそうですね。
TiO2は結晶化させれば安定な物質なので、分厚くつけて反射防止膜ではなくカビ防止膜というのもありかもしれません。
私はコーティングしていない面よりもコーテイングされている面の方がカビが生えやすい印象があるのですが
皆さんどう思われますか?(本来のお題から外れてしまっていますがご容赦を)
Re: 青ハロキラーフィルター
確かにレンズには屈折率が高いことで選ばれないんだな、とは思っておりました。
ご丁寧な解説、ありがとうございました。
横道の話しかできませんが、トンネル内の照明のカバーにTiO2コートをすることによって、照明の明るさが長続きする。と聞いたことがあります。ブルーライトに困るLED照明とは相性がいいかもしれません。
お詳しい人にはお恥ずかしく、うるおぼえですが、親水性/疎水性には最外周(表面)の分子構造(最外周がHかOかとか)が問題で、それをゼータ電位?として測れる?・・・・・あってますか?
コーティングにより、水をはじき、するっと流れる(たまったら乾きにくい)疎水性と、じめって水分が張り付く(乾燥してるとこではすっと乾くが、一般的に残りやすい)親水性が変わるのは当然とは理解できます。
ですので、膜によってカビが出やすかったり出にくかったりするのはありそうです。
私もよくかびさせますが、コーティングでおさまっていたら、ラッキーと思ってしまいます。
ただ、イメージとして私もノンコートの方がかび難い様に思います。
ご丁寧な解説、ありがとうございました。
横道の話しかできませんが、トンネル内の照明のカバーにTiO2コートをすることによって、照明の明るさが長続きする。と聞いたことがあります。ブルーライトに困るLED照明とは相性がいいかもしれません。
お詳しい人にはお恥ずかしく、うるおぼえですが、親水性/疎水性には最外周(表面)の分子構造(最外周がHかOかとか)が問題で、それをゼータ電位?として測れる?・・・・・あってますか?
コーティングにより、水をはじき、するっと流れる(たまったら乾きにくい)疎水性と、じめって水分が張り付く(乾燥してるとこではすっと乾くが、一般的に残りやすい)親水性が変わるのは当然とは理解できます。
ですので、膜によってカビが出やすかったり出にくかったりするのはありそうです。
私もよくかびさせますが、コーティングでおさまっていたら、ラッキーと思ってしまいます。
ただ、イメージとして私もノンコートの方がかび難い様に思います。
プライベートメッセージです
Re: 青ハロキラーフィルター
光触媒用の酸化チタンはアナターゼ型という結晶でないと威力が出ません。しかし光学コート用はむしろ非晶質の方が耐久性も良いので一般的には両立しません。
一部のLED照明の反射板に光触媒をつけたものは病室/介護施設の臭気対策で作られたことがありましたが、結局は「その表面」に到達した分子しか分解してくれないので効果は著しく限定的だったとか。(送風して当て続けないと部屋の空気がきれいにはならない)
さらに短波長光が当たらないと活性度が低く、可視光型も開発されたが効果は低く、性能は10~100倍良くならないと殺菌用途にまで使えません。(表面に付いた細菌が30分で半分に減るくらいの速度がやっと)
このため、光触媒が活用されているのは直射日光がよく当たり、接触界面だけ分解できて落ちれば良い外壁や屋根の汚れ対策が中心です。開発された当初は1兆円産業と言われましたが、1/10くらいで市場規模は横ばいです。そもそもカビが問題になるところって「光が当たらないところ」なんで、まあ、使えません。窓ガラスにつけて結露による黒カビを防ぐくらいが関の山です。
水洗トイレに使われているのは酸化チタンが表面の親水性が著しく高く、水の膜が常に存在するような表面なので付着した汚れは水の膜ごと落ちるという仕掛けで、光触媒とは作動原理が違うようです。
一部のLED照明の反射板に光触媒をつけたものは病室/介護施設の臭気対策で作られたことがありましたが、結局は「その表面」に到達した分子しか分解してくれないので効果は著しく限定的だったとか。(送風して当て続けないと部屋の空気がきれいにはならない)
さらに短波長光が当たらないと活性度が低く、可視光型も開発されたが効果は低く、性能は10~100倍良くならないと殺菌用途にまで使えません。(表面に付いた細菌が30分で半分に減るくらいの速度がやっと)
このため、光触媒が活用されているのは直射日光がよく当たり、接触界面だけ分解できて落ちれば良い外壁や屋根の汚れ対策が中心です。開発された当初は1兆円産業と言われましたが、1/10くらいで市場規模は横ばいです。そもそもカビが問題になるところって「光が当たらないところ」なんで、まあ、使えません。窓ガラスにつけて結露による黒カビを防ぐくらいが関の山です。
水洗トイレに使われているのは酸化チタンが表面の親水性が著しく高く、水の膜が常に存在するような表面なので付着した汚れは水の膜ごと落ちるという仕掛けで、光触媒とは作動原理が違うようです。