ヤフオクを流れていく名機達

「古スコ広場」 懐かしの望遠鏡、昔欲しかった望遠鏡、古い望遠鏡や産業を語りましょう
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木村
記事: 245
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ヤフオクを流れていく名機達

投稿記事 by 木村 »

HGさん,原さん,

下の写真は左から,天然蛍石の結晶,レンズ用の人工蛍石が出てきたところ,温度ショックで割れたところ,立方体を一番遠い角が貫くようにこっちに向けたところ,の図です.

で,温度ショック(冷たい水に入れたようですね.)で入った割れ目を良く見ると,平行四辺形の組み合わせが作れます.この平行四辺形は,立方体を傾けて目線が最遠の頂点と最近の頂点が一直線に並ぶようにしたときにできる平行四辺形とそっくりでしょ?

言い忘れましたが,蛍石の結晶はカルシュウムの面心立方格子の隙間に,びっちりとフッ素を詰めた構造なんで,基本はサイコロ状の正6面体です.その角を劈開させて正8面体にしたのが,神保町の大きな本屋にならんでましたが,基本は写真左端の様に立方体です.

たぶん,でかい立方体の結晶を上述の大対角線の方向に切ってレンズ素材にしてるんじゃないですかね?.とすると,この結晶の8個の角々は,全て同等なのですから,ともかく角っこがこっちを向くようにして,シャーシャー磨くんじゃないですかね?.結晶軸によって柔らかさが違うとなったら,ともかく回転対称にしないと乱視メガネになってしまうので,たぶん,こんな軸の取り方だと想像してます.

ただ,蛍石の人工結晶の作り方を考えると,結晶の軸を任意に決められないような気がするので,最初から結晶軸が良い方向を向くようにして結晶させてるのか,てきとーに作って,後で結晶軸を見極めて円盤形に整形するのか,そこは全然想像ができませんです.
無題2.png
HG
記事: 45
登録日時: 2026年3月17日(火) 23:23

Re: ヤフオクを流れていく名機達

投稿記事 by HG »

原さん 木村さん

ありがとうございました。
木村さんの写真を見ると、結晶軸の方向、なんとなく劈開面と平行なような感じも受けますが、
結晶軸とレンズ面が直交しているようにも見えますね。

軸の方向を知っているのは、やはりキャノンだけかもしれません。
古いスプリング-8のサイトに、キャノンが結晶状態の探査をエックス線で行っているという記事を見ました。
結晶の状態が光学性能にどんな影響を及ぼすのかスプリング-8を使って調べたとあります。
確かに、結晶を人間の眼では見えない光で捉えると、大理石オニックスのように結晶が奇麗に揃っていないのが見て取れます。
逆に言うと、結晶軸が細かくランダムに散っていてくれたほうが、全体としては均一ということなのかもしれません。
X線ではそう見えても、人間の眼には全く透明で透き通ったように見えるのが面白いです。
キャノンは1960年代から蛍石の溶解を行っていますから、蓄積されたノウハウも相当なものだろうと思います。町工場やアマチュアの出る幕はないのでしょうね。
ロシアはロシアで、イオンビームのような西側がやっていなかったレンズ製法を行っているので、キャノンとは異なった流儀がありそうですね。
「原」
記事: 681
登録日時: 2023年6月14日(水) 19:16

Re: ヤフオクを流れていく名機達

投稿記事 by 「原」 »

結晶方向に関しては製造元(トクヤマとか)は知っています。
https://www.shmj.or.jp/dev_story/pdf/develop09.pdf
作り方はpdfに出ている通りで種結晶から成長させるので、種結晶の方向に依存します。この方法なら一定。

研磨材料としてキャノンとトプコンはナノダイヤモンド、コーニングは酸化セリウムを特許に記載していました。。。

多結晶蛍石は結晶方向の違いで研磨面が荒れるという報告があります。
https://www.asj.or.jp/nenkai/archive/20 ... /V212b.pdf
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木村
記事: 245
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ヤフオクを流れていく名機達

投稿記事 by 木村 »

原様
 なるほど.
種を入れるんですね.
学生実験でアルミの結晶を作ったことがありますが,あれではヒーターを上に引き上げてましたね.一晩かけて引き上げたら,やっと単結晶になった記憶があります.直径3cmくらいだったかな?.がーっと1時間で上げると,綺麗な複数結晶になりました.

それから,TMTのために直径40cmの単結晶を作ろうってのは,なかなか大変そう.取りあえず複結晶で行ってみるかぁ,って実験ですね.研磨で荒れるのは結晶と結晶の間って事で,まぁ,そうでしょうね.

HG様
 分かり難かったと思います.図を新しく描きました.
まず,サイコロの1面とレンズ面を平行に磨こうとすると,劈開面はレンズに垂直になるので,割れるときには長方形に割れやすいはずです.かつ,割目がレンズに垂直なので,短い距離でパキッといくので割れやすいはず.だから,こんな結晶の使い方はしないはずでしょう.

 次に,立方体の下に描いてあるように,角の方から研磨してレンズにしようとするなら,手前側の3枚の劈開面(赤星で示す面)は,レンズを正三角形に割ろうとするでしょう(その右の赤の逆正三角形).向こう側の3枚の劈開面(薄い水色の星印)は,正の正三角形の劈開で割ろうとするでしょう.この場合,レンズの劈開の傾向は,平行な2本ずつの3通りです.割れたレンズの写真では,その組み合わせのうちの2組が劈開して平行四辺形が出来ていると考えられます.

 写真の通りの向きに考えると,図の左下の★付き立方体の,右下面と左下面がわれて,上面の劈開面は割れなかったって事なんじゃないですかね?

 あと,前に載せた蛍石の研磨前の円板は,中央から放射状に何かの線が広がってますけど,良く見ると中心からの360度全方向の放射ではなくて,なんか束になった平行線が6束出ているように見える気もします.

 って事で,結晶させるときに種結晶は尖った角を上に向けて成長させるんじゃないですかね?.そして,円板に切ったら角っこの方,結晶軸で言うと(1,1,1)方向って言うのかな? そっちからシーシーして磨いてレンズにしてるんだと思います.
無題4.png
 それから,少し思い出しました.
蛍石で虫眼鏡を磨き出してた友人は,もう故人なので聞くことも出来ないのですが,艶出し研磨剤を使わなかったと言ってました.つまり酸化セリュウムなどではなくて,砂磨きに使うアランダム(酸化アルミナ)を,そのまま番手(粒度)を上げていったそうです.3000番を超えると,もう売ってないので使用済みのを水分離して細かいのを作りながら進めたそうです.
最後に編集したユーザー 木村 [ 2026年7月30日(木) 13:19 ], 累計 1 回
HG
記事: 45
登録日時: 2026年3月17日(火) 23:23

Re: ヤフオクを流れていく名機達

投稿記事 by HG »

ユニトロンからすっかり脱線させてしまい申し訳ありません。

木村さん、なんとなく理解は出来ますが、完全には理解できないです。(笑
原さん、トクヤマも製造していたのですね。知らなかったです。

個人的には、フローライトについて何も知らないんですよね。
良く使ってはいるのですが。

キャノンオプトロンで製造しているのは、単結晶のものらしいということは、
ホームページにあるので、そうだろうなと思っています。
けれど、あの蛍石の結晶サンプルの写真を見るにつけ、
「果て、軸ってどうやっているんだろう?」と疑問が残っていました。
製造管理、研削管理、研磨管理、精度管理、温度管理などいろいろ。
ちょっとしくじると簡単にぱりんとヒビが入るようですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IZZdU9eKWBs
この画像を見ると、フローライトブランクで購入場合と、
磨いたものを購入する場合と選択できるらしいことは分かります。

オプトロンの写真などを見ると、人口結晶って、ガラスのロッドみたいな形状で析出させて、
それを輪切りにしているらしいと想像できます。
もちろん、どんな研磨剤や刃を使っているか知りようもありませんし、
輪切りにするときにどんなやり方でやっているのかも知りません。
コーティングも難しいらしいですが、どんなコーティングかも分からないです。

分からないというのは、「具体的に」ですね。
オプトロンは一切公開していないので、インターネットでも特許でも検索できないですよね。
アマチュアが勝手に憶測することは出来るのですが、それは意味を成さないですし。
クラウディナイツでは、フローライトに関する都市伝説がはびこっていて救いようが無い状況です。
アメリカにはアンチが多いですから。
自分のとこで製造出来ないのが悔しいのだと思います。(笑

オプトロンは、1966年から人口結晶の製造をしていますし、1968年に実製品に搭載していますし、
コーティングもしていますから、やはりノウハウは一番持っているだろうと思います。
ニコンもメディカル用に確か蛍石のレンズを出していたと思いますが、それを拡張することはしなかったですね。
化学樹脂で有名なトクヤマが蛍石を製造していたとは知らなかったです。
でも、後発なので相当苦労していたでしょうね。
私は、塩ビ樹脂を得意としているのは知っていましたが、フローライトに手を出していたのは知りませんでした。

今やステッパー装置は、反射系を使ってX線で行う時代ですから、蛍石がトップランナーの時代は過ぎ去りました。
蛍石は、旧式のLSIや商用レンズ、放送局用レンズあたりに縮小しているのかもしれないなあと思います。
フローライトレンズを製造しているところは、いまや世界各地にあるそうですが、具体的にどこかは分からないです。
FPL53の素材も蛍石の硝材を混在させているようなので、単結晶でないところだけが違うのかもしれません。
実調達コストは蛍石と大きく違わないみたいなんですね。
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木村
記事: 245
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ヤフオクを流れていく名機達

投稿記事 by 木村 »

 あ,そう言えばユニトロンでしたね(笑い).

>アマチュアが勝手に憶測することは出来るのですが、それは意味を成さないですし。

いや,私はそうは思ってません.
時間と金があれば,ひっそりと特許にも出さずに極秘中の極秘の社内技術であっても,同じか,もっと凄い手法を,こっちだって編み出せると思ってます.まぁ,ささやかな学生実験の経験しか無いのですが,それでも結晶を作るとか,それを切るとか,コーティングをするなんてのは割と得意でした.だけど,物性物理の研究室が嫌になって,おん出てしまったもので(笑い).

 その動画,音声が小さくて何をやっているのか良く分からないのですが,割ってしまったレンズを,また割ってみようとしてるんですかね?.私は,ガラス材を割ったことはありませんが,冷える方が割れやすいって言いますね.お湯に入れても何でもないのに,それを取り出して冷たい指が触れただけでも,パリンと行くものだそうです.

 結晶を切るのは難しそうですね.仮に私の仮説の(1,1,1)軸の方向に成長した結晶を切るなら,その方向にも蛍石には弱い劈開性質を持っているはずです.その(1,1,1)に垂直な面で割り取っていくと,正8面体の(ニセ)結晶になります.良く,鉱物標本で売ってるやつですよ.ひょっとすると,熟練工の人が心眼で割れ目を見付けて,エイヤッで二つに割るのかもしれません.そうでなければ,水晶の細い糸に酸を点けながら,機械でツーツーツーツーと横に擦って切るとか,そんな方法だと思います.

 コーティングは,温度を上げるのが難しいのでしょう.
中学生の頃に,蛍石は加熱すると燐光を出すとか本で読んで,採ってきた大事な蛍石を薪ストーブに入れたことがあります.バチバチバチっと凄い音がして,蛍石は全て砂粒より小さな破片になってしまいました.もの凄く熱歪みに弱いんですよ.
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