HGさん,原さん,
下の写真は左から,天然蛍石の結晶,レンズ用の人工蛍石が出てきたところ,温度ショックで割れたところ,立方体を一番遠い角が貫くようにこっちに向けたところ,の図です.
で,温度ショック(冷たい水に入れたようですね.)で入った割れ目を良く見ると,平行四辺形の組み合わせが作れます.この平行四辺形は,立方体を傾けて目線が最遠の頂点と最近の頂点が一直線に並ぶようにしたときにできる平行四辺形とそっくりでしょ?
言い忘れましたが,蛍石の結晶はカルシュウムの面心立方格子の隙間に,びっちりとフッ素を詰めた構造なんで,基本はサイコロ状の正6面体です.その角を劈開させて正8面体にしたのが,神保町の大きな本屋にならんでましたが,基本は写真左端の様に立方体です.
たぶん,でかい立方体の結晶を上述の大対角線の方向に切ってレンズ素材にしてるんじゃないですかね?.とすると,この結晶の8個の角々は,全て同等なのですから,ともかく角っこがこっちを向くようにして,シャーシャー磨くんじゃないですかね?.結晶軸によって柔らかさが違うとなったら,ともかく回転対称にしないと乱視メガネになってしまうので,たぶん,こんな軸の取り方だと想像してます.
ただ,蛍石の人工結晶の作り方を考えると,結晶の軸を任意に決められないような気がするので,最初から結晶軸が良い方向を向くようにして結晶させてるのか,てきとーに作って,後で結晶軸を見極めて円盤形に整形するのか,そこは全然想像ができませんです.
ヤフオクを流れていく名機達
Re: ヤフオクを流れていく名機達
原さん 木村さん
ありがとうございました。
木村さんの写真を見ると、結晶軸の方向、なんとなく劈開面と平行なような感じも受けますが、
結晶軸とレンズ面が直交しているようにも見えますね。
軸の方向を知っているのは、やはりキャノンだけかもしれません。
古いスプリング-8のサイトに、キャノンが結晶状態の探査をエックス線で行っているという記事を見ました。
結晶の状態が光学性能にどんな影響を及ぼすのかスプリング-8を使って調べたとあります。
確かに、結晶を人間の眼では見えない光で捉えると、大理石オニックスのように結晶が奇麗に揃っていないのが見て取れます。
逆に言うと、結晶軸が細かくランダムに散っていてくれたほうが、全体としては均一ということなのかもしれません。
X線ではそう見えても、人間の眼には全く透明で透き通ったように見えるのが面白いです。
キャノンは1960年代から蛍石の溶解を行っていますから、蓄積されたノウハウも相当なものだろうと思います。町工場やアマチュアの出る幕はないのでしょうね。
ロシアはロシアで、イオンビームのような西側がやっていなかったレンズ製法を行っているので、キャノンとは異なった流儀がありそうですね。
ありがとうございました。
木村さんの写真を見ると、結晶軸の方向、なんとなく劈開面と平行なような感じも受けますが、
結晶軸とレンズ面が直交しているようにも見えますね。
軸の方向を知っているのは、やはりキャノンだけかもしれません。
古いスプリング-8のサイトに、キャノンが結晶状態の探査をエックス線で行っているという記事を見ました。
結晶の状態が光学性能にどんな影響を及ぼすのかスプリング-8を使って調べたとあります。
確かに、結晶を人間の眼では見えない光で捉えると、大理石オニックスのように結晶が奇麗に揃っていないのが見て取れます。
逆に言うと、結晶軸が細かくランダムに散っていてくれたほうが、全体としては均一ということなのかもしれません。
X線ではそう見えても、人間の眼には全く透明で透き通ったように見えるのが面白いです。
キャノンは1960年代から蛍石の溶解を行っていますから、蓄積されたノウハウも相当なものだろうと思います。町工場やアマチュアの出る幕はないのでしょうね。
ロシアはロシアで、イオンビームのような西側がやっていなかったレンズ製法を行っているので、キャノンとは異なった流儀がありそうですね。
Re: ヤフオクを流れていく名機達
結晶方向に関しては製造元(トクヤマとか)は知っています。
https://www.shmj.or.jp/dev_story/pdf/develop09.pdf
作り方はpdfに出ている通りで種結晶から成長させるので、種結晶の方向に依存します。この方法なら一定。
研磨材料としてキャノンとトプコンはナノダイヤモンド、コーニングは酸化セリウムを特許に記載していました。。。
多結晶蛍石は結晶方向の違いで研磨面が荒れるという報告があります。
https://www.asj.or.jp/nenkai/archive/20 ... /V212b.pdf
https://www.shmj.or.jp/dev_story/pdf/develop09.pdf
作り方はpdfに出ている通りで種結晶から成長させるので、種結晶の方向に依存します。この方法なら一定。
研磨材料としてキャノンとトプコンはナノダイヤモンド、コーニングは酸化セリウムを特許に記載していました。。。
多結晶蛍石は結晶方向の違いで研磨面が荒れるという報告があります。
https://www.asj.or.jp/nenkai/archive/20 ... /V212b.pdf
Re: ヤフオクを流れていく名機達
原様
なるほど.
種を入れるんですね.
学生実験でアルミの結晶を作ったことがありますが,あれではヒーターを上に引き上げてましたね.一晩かけて引き上げたら,やっと単結晶になった記憶があります.直径3cmくらいだったかな?.がーっと1時間で上げると,綺麗な複数結晶になりました.
それから,TMTのために直径40cmの単結晶を作ろうってのは,なかなか大変そう.取りあえず複結晶で行ってみるかぁ,って実験ですね.研磨で荒れるのは結晶と結晶の間って事で,まぁ,そうでしょうね.
HG様
分かり難かったと思います.図を新しく描きました.
まず,サイコロの1面とレンズ面を平行に磨こうとすると,劈開面はレンズに垂直になるので,割れるときには長方形に割れやすいはずです.かつ,割目がレンズに垂直なので,短い距離でパキッといくので割れやすいはず.
次に,立方体の下に描いてあるように,角の方から研磨してレンズにしようとするなら,手前側の3枚の劈開面(赤星で示す面)は,レンズを正三角形に割ろうとするでしょう(その右の赤の逆正三角形).向こう側の3枚の劈開面(薄い水色の星印)は,正の正三角形の劈開で割ろうとするでしょう.この場合,レンズの劈開の傾向は,平行な2本ずつの3通りです.割れたレンズの写真では,その組み合わせのうちの2組が劈開して平行四辺形が出来ていると考えられます.
写真の通りの向きに考えると,図の左下の★付き立方体の,右下面と左下面がわれて,上面の劈開面は割れなかったって事なんじゃないですかね?
あと,前に載せた蛍石の研磨前の円板は,中央から放射状に何かの線が広がってますけど,良く見ると中心からの360度全方向の放射ではなくて,なんか束になった平行線が6束出ているように見える気もします.
って事で,結晶させるときに種結晶は尖った角を上に向けて成長させるんじゃないですかね?.そして,円板に切ったら角っこの方,結晶軸で言うと(1,1,1)方向って言うのかな? そっちからシーシーしてる事になるんだと思います.
なるほど.
種を入れるんですね.
学生実験でアルミの結晶を作ったことがありますが,あれではヒーターを上に引き上げてましたね.一晩かけて引き上げたら,やっと単結晶になった記憶があります.直径3cmくらいだったかな?.がーっと1時間で上げると,綺麗な複数結晶になりました.
それから,TMTのために直径40cmの単結晶を作ろうってのは,なかなか大変そう.取りあえず複結晶で行ってみるかぁ,って実験ですね.研磨で荒れるのは結晶と結晶の間って事で,まぁ,そうでしょうね.
HG様
分かり難かったと思います.図を新しく描きました.
まず,サイコロの1面とレンズ面を平行に磨こうとすると,劈開面はレンズに垂直になるので,割れるときには長方形に割れやすいはずです.かつ,割目がレンズに垂直なので,短い距離でパキッといくので割れやすいはず.
次に,立方体の下に描いてあるように,角の方から研磨してレンズにしようとするなら,手前側の3枚の劈開面(赤星で示す面)は,レンズを正三角形に割ろうとするでしょう(その右の赤の逆正三角形).向こう側の3枚の劈開面(薄い水色の星印)は,正の正三角形の劈開で割ろうとするでしょう.この場合,レンズの劈開の傾向は,平行な2本ずつの3通りです.割れたレンズの写真では,その組み合わせのうちの2組が劈開して平行四辺形が出来ていると考えられます.
写真の通りの向きに考えると,図の左下の★付き立方体の,右下面と左下面がわれて,上面の劈開面は割れなかったって事なんじゃないですかね?
あと,前に載せた蛍石の研磨前の円板は,中央から放射状に何かの線が広がってますけど,良く見ると中心からの360度全方向の放射ではなくて,なんか束になった平行線が6束出ているように見える気もします.
って事で,結晶させるときに種結晶は尖った角を上に向けて成長させるんじゃないですかね?.そして,円板に切ったら角っこの方,結晶軸で言うと(1,1,1)方向って言うのかな? そっちからシーシーしてる事になるんだと思います.
Re: ヤフオクを流れていく名機達
あぁ,少し思い出しました.
蛍石で虫眼鏡を磨きだしてのけた友人は,もう故人なので聞くことも出来ないのですが,艶出し研磨剤を使わなかったと言ってました.つまり酸化セリュウムなんかではなくて,砂磨きに使うアランダム(酸化アルミナ)を,そのまま番手(粒度)を上げていったそうです.3000番を超えると,もう売ってないので水分離で作っていったそうです.
蛍石で虫眼鏡を磨きだしてのけた友人は,もう故人なので聞くことも出来ないのですが,艶出し研磨剤を使わなかったと言ってました.つまり酸化セリュウムなんかではなくて,砂磨きに使うアランダム(酸化アルミナ)を,そのまま番手(粒度)を上げていったそうです.3000番を超えると,もう売ってないので水分離で作っていったそうです.