ケーニッヒという接眼レンズ

初心者はもとより、調べても分からないことは、聞いてみましょう
「M」
記事: 46
登録日時: 2023年7月29日(土) 19:25

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 「M」 »

ガラクマ さん  木村 さん みなさん こんにちは
木村 さんが書きました: だけど,20cm以上の対物レンズを自作する人も,たまにいます.その時,新種ガラスは止めた方が良いってのが自分の感想です.BK7+F2の古典的な組み合わせで25cmと,同時期にフリント側に新しいガラスを使った同口径の人の,2人が同時期に挑戦してた事がありました.私は前者の光学設計役でした.フランフォーファー型をモディファイしたもので,第2,第3曲率を等曲にしてガラス間隔をパラメータ化にした独自の設計です.
前者は完成したのです.
昔、(東所沢=斉藤さんとこ,で売っていた硝材で?)大きなレンズを作っているという話を
聞いたことがあります。 「砂掛けはパイレックスと似たようなもので問題なしだが、
砂目とり(艶だし)がなかなかできない」とか...。 残念ながら続報は届きませんでした。
似たような経験をされたのでしょうか? それとも問題なしだったのでしょうか?
大きなレンズの研磨経験者(あるいは、そばからの観察経験者)から具体的な話を
聞く機会は希少・貴重です。 研磨だけでなく測定/試験も小口径の鏡とは「桁違い」の
作業と想像します。さしつかえない範囲で(「自作・改造/Making」にでも)
投稿していただけるとありがたいのですが。

ガラクマ さんが書きました: 露光装置はサポーターの遮蔽(回折)も許されないので、軸外ししかないのでしょうね。
それがですね、新竹 教授(OIST)の資料:-
https://shingi.jst.go.jp/pdf/2024/2024_OIST_005.pdf
をながめていたら、「中央遮蔽のあるほうが解像度が上がる」という意味の説明を
見つけました。

※「露光装置は、惑星観測(コントラスト優先)用より重星観測(分解能優先)用に
※近い(!?)」と、(思わず)ニッコリしたことでした。
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木村
記事: 56
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

手が混んでるので,短文だけで失礼します.

>砂目とり(艶だし)が難しい

F2は軟らかいので,研磨時間が2倍はかかります.また,F2用に,普通は使われない8千番の研磨材が用意されました.(蛍石レンズの艶出しでの,噂話をヒントにしてました.)しかも,磨く研磨面は合計6面にもなるのと,反射主鏡の3倍は深く掘り込みますから,準備段階で専用の研磨機と,ダイヤモンドのカーブジェネレーターが手作りされてました.

ガラス材の出生は妖しくて,既にリトロー型のアクロマートしようとした痕跡があったのを,そのF2の方を自称主鏡磨きが得意といういい加減なアマチュアが,反射鏡にしようと荒ズリしかけて止めてしまったのを,ただで貰ってきたそうです.残っている厚さを計ったら,以前からやってみたかった対物の設計に必要な厚さ+4㎜の厚さが残っていました.もう,ぎりぎりもギリギリでしたが,友達は1㎜有れば主鏡1面磨けるから,4㎜有ればレンズの2面を磨いてみせる,と言ってくれました.そして,天竺への旅が始まったわけです.


>「中央遮蔽のあるほうが解像度が上がる」

そのパワポ資料の「1ピッチのコントラスト」だけ見ると,コントラストが上がってるので穴の影響は,むしろ良い方に効いているように見えますが,その上の「パターニングのシミュレーション」が理解できないので,説明して欲しいところです.上の図では,やっぱりコントラストは下がる気がしますけど.

ただし,中央に穴がある主鏡の像は,対象である物体の大きさに対し,ある特定の直径の穴の時には逆にコントラストが上がる事はあるはずです.似たような手法に,2重星を分解して検出するに「超分解能」とか言って,対物の真ん中に大きな丸い遮蔽を入れる方法が有ったと思います.ただし「検出」です.見えるという意味ではありません.(直交方向に,離れた2つの光が現れる)
「M」
記事: 46
登録日時: 2023年7月29日(土) 19:25

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 「M」 »

木村 さん こんにちは

残念ながら予備知識が足りず、せっかく早々に返答していただいたのに、ついていけていません。
『吉田正太郎,天文アマチュアのための 新版 屈折,2005』 を参照しながら理解しようとしています。

「M」>砂目とり(艶だし)が難しい
木村>F2は軟らかいので,研磨時間が2倍はかかります.また,F2用に,普通は使われない8千番の
木村>研磨材が用意されました... 磨く研磨面は合計6面にもなる...

※6面? 2面は治具用でしょうか?

木村>反射主鏡の3倍は深く掘り込みますから,準備段階で専用の研磨機と,ダイヤモンドの
木村>カーブジェネレーターが手作りされてました.

※1組のレンズ製作用としては「贅沢」ですね!「ダイヤモンドカーブジェネレーター」はring型でしょうか?

木村>リトロー型の...F2の方を...反射鏡にしようと荒ズリしかけて止めてしまったのを...

参考書の「6.対物レンズ」にBK7+F2のリトロー型F20の例があります。
これを口径250[mm]に拡大すると...F20なのでf=5000[mm]ですので
倍率は50x。F2の前面の凹の曲率半径は45[mm]*50=2250[mm]=250x9ですので反射鏡面
としてはF4.5相当...ということで合ってますかね。(「付け焼き刃」:-)

木村>対物の設計に必要な厚さ+4㎜の厚さが残っていました....友達は1㎜有れば主鏡1面磨けるから
木村>4㎜有ればレンズの2面を磨いてみせる,と言ってくれました.

※このあたりもよくわかりません... ... ...。

 BK7後面とF2前面の曲率半径が同じ,ということですので「トモズリ」(でしたっけ?)
なのかな?と思っていたのですが、材料の厚さに余裕がなく「カーブジェネレーター」の
出番となったということでしょうか? 「盤」(=tool)は別に(たとえば石膏で?)作ったのでしょうか??

繰り返しになりますが、折角貴重な時間を割いてくださっての投稿も理解できないのでは申し訳あり
ません。 「まったり」「ゆるゆる」まいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「M」>「中央遮蔽のあるほうが解像度が上がる」という意味の説明を見つけました。
※原文は「ミラー孔の影響はない むしろ向上している」

木村>そのパワポ資料の「1ピッチのコントラスト」だけ見ると,コントラストが上がってるので穴の影響は,むしろ良い方に効いているように見えますが,

木村>その上の「パターニングのシミュレーション」が理解できないので,説明して欲しいところです.

はい、説明欲しいです!

木村>中央に穴がある主鏡の像は,対象である物体の大きさに対し,ある特定の直径の穴の時には
木村>逆にコントラストが上がる事はあるはずです.

木村>似たような手法に,2重星を分解して検出するに「超分解能」とか言って,
木村>対物の真ん中に大きな丸い遮蔽を入れる方法が有ったと思います.
木村>ただし「検出」です.見えるという意味ではありません.(直交方向に,離れた2つの光が現れる)

​「直交方向に,離れた2つの光が現れる」???もうすこし説明していただけませんか? 
※「干渉系」の気がしますが...? (e.g. スペックル干渉法)

※(「干渉計」というと師匠から「干渉装置でしょ?」と「ツッコミが入ったことがありました」:-)
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木村
記事: 56
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

>1組のレンズ製作用としては「贅沢」ですね!

いや,Mさんは下知識が無いので理解できないでしょうけど,これは貧乏も貧乏,とんでもなく貧乏な作戦です.

少し説明すると,アクロ1セットの面は4面です.それぞれに,共擦りする相手のガラスが必要です(ツールガラスと呼びます).安い青板ガラスを使います.これも25cmが必要です.青板ガラスは,共擦りの砂ずりから始まって,最終的に両方ともつるつる状態にします.フランフォーファー型は凸面3つに凹面1つです.

凹面はフーコーテストできますが,凸面はできません.そこで共擦りで作った完全同曲率の凹面でフーコーテストをやって,重ね合わせてニュートンフリンジ検査で調整します.

つまり,アクロ1セットにたいして,ツールガラスは,単純に計算しても合計4枚必要です.さらに最終検査のために,基準平面鏡が必要です.これも2枚のガラスが必要です.

結局,2枚のアクロのために,ツールガラスと基準平面用ガラスで合計6枚(4+2)必要です.
それから,研磨する面の数はレンズ面の4面に加えて,フリンジ用になるツールの4面,基準平面もフリンジテストで作りますから2面で,合計10面研磨です.

研磨する作業量は我慢することにして,ガラス材だけでも節約しようって事になったのです.なにせ,25cm級だと青板ガラスでも結構しますから.

アクロの第1面と第4面にはツールを用意し,第2と第3はアクロ同士の共擦りとします.さらに,基準平面は上の2枚のツールガラスの裏を使う事にして,テスト用の基準球面は,最も正確に研磨できるアクロの第3面,つまりF2の表を使うことにしたのです.

この工夫で,仕上げる面数は変わりませんが,ツール+基準平面で6枚だったのが,わずか2枚で済むようにしたわけです.


 必要なガラス厚というのは,ある曲率半径を指定すると,レンズの直径から幾何学的に計算して,凸レンズの端のガラス厚さが負になったり,凹レンズの中央厚さが負になったりはダメなのですよ.口径に応じてガラス材は,強度上必要な最低厚さがあって,部分的にでも薄過ぎには出来ないのです.

しかも,ガラスは削り過ぎたからといって,元には戻せません.既にアホな人が,ガラスを下手に削ってしまったので,これからの研磨では凸レンズの中央を1㎜以上減らしてはいけないし,凹レンズは端の方を1㎜以上減らしてはいけないという条件を守りながら研磨しないとならないということです.

これは,反射式の主鏡を磨ける程度の人では難しいです.(たまに,主鏡の手磨きができると言って天狗になってる人がいますけどね)私も15cmくらいまでなら,1週間もかからずに完成できますけど,最初の頃は,ズリズリやって行ったらガラス材の厚さが3㎜くらいまで薄くなってしまって使えない主鏡にしちゃったことがあります.

ところが,hは最初から最後まで鏡材の端の厚さが変わらないのでした.まったくガラスを無駄にしないのでした.
「M」
記事: 46
登録日時: 2023年7月29日(土) 19:25

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 「M」 »

木村 さん みなさん こんにちは
木村 さんが書きました:
>1組のレンズ製作用としては「贅沢」ですね!

いや,Mさんは下知識が無いので理解できないでしょうけど,これは貧乏も貧乏,とんでもなく貧乏な作戦です.

少し説明すると,アクロ1セットの面は4面です.それぞれに,共擦りする相手のガラスが必要です(ツールガラスと呼びます).安い青板ガラスを使います.これも25cmが必要です.青板ガラスは,共擦りの砂ずりから始まって,最終的に両方ともつるつる状態にします.フランフォーファー型は凸面3つに凹面1つです.

凹面はフーコーテストできますが,凸面はできません.そこで共擦りで作った完全同曲率の凹面でフーコーテストをやって,重ね合わせてニュートンフリンジ検査で調整します.

つまり,アクロ1セットにたいして,ツールガラスは,単純に計算しても合計4枚必要です.さらに最終検査のために,基準平面鏡が必要です.これも2枚のガラスが必要です.

結局,2枚のアクロのために,ツールガラスと基準平面用ガラスで合計6枚(4+2)必要です.
それから,研磨する面の数はレンズ面の4面に加えて,フリンジ用になるツールの4面,基準平面もフリンジテストで作りますから2面で,合計10面研磨です.
...というやり方は採用しないで...
木村 さんが書きました: 研磨する作業量は我慢することにして,ガラス材だけでも節約しようって事になったのです.なにせ,25cm級だと青板ガラスでも結構しますから.

アクロの第1面と第4面にはツールを用意し,第2と第3はアクロ同士の共擦りとします.さらに,基準平面は上の2枚のツールガラスの裏を使う事にして,テスト用の基準球面は,最も正確に研磨できるアクロの第3面,つまりF2の表を使うことにしたのです.

この工夫で,仕上げる面数は変わりませんが,ツール+基準平面で6枚だったのが,わずか2枚で済むようにしたわけです.
というやり方にした。 基準平面は必要なのは1枚だが、平面作成のためには(最低)2面が必要ということですね。
※基準平面の作成の実際を教えていただくのを楽しみにしています!
※※「テスト用の基準球面」というのは平面のテスト用だ、と理解しましたが?
※※※まあ、これはまた後ほどということで。
木村 さんが書きました:  必要なガラス厚というのは,ある曲率半径を指定すると,レンズの直径から幾何学的に計算して,凸レンズの端のガラス厚さが負になったり,凹レンズの中央厚さが負になったりはダメなのですよ.口径に応じてガラス材は,強度上必要な最低厚さがあって,部分的にでも薄過ぎには出来ないのです.
参考書(『吉田正太郎,天文アマチュアのための 新版 屈折望遠鏡光学入門,2005』)では
「凸レンズの周辺のコバ厚は、レンズ直径⌀の5%内外」
「凹レンズの中心肉厚は、レンズ直径⌀の6%以上」とあります。
⌀=250[mm]として...まあ約15[mm]が限度ということなのですね。
先に引用した同書のBK7+F2のリトロー型F20の例(を口径250[mm]に拡大)ですと、
BK7前面の曲率半径==BK7後面の曲率半径==F2前面の曲率半径==(約)2250[mm]
BK7前面の「ふくらみ」==BK7後面の「ふくらみ」==F2前面の「へこみ」==約3.47[mm]
F2後面の曲率半径==(約)38750[mm],F2後面の「ふくらみ」==(約)0.2[mm]
木村 さんが書きました: しかも,ガラスは削り過ぎたからといって,元には戻せません.既にアホな人が,ガラスを下手に削ってしまったので,これからの研磨では凸レンズの中央を1㎜以上減らしてはいけないし,凹レンズは端の方を1㎜以上減らしてはいけないという条件を守りながら研磨しないとならないということです.
F2は反射鏡にしようと荒ズリしかかりだったということですが、BK7も何かの仕掛かりだったわけですか。
木村 さんが書きました: これは,反射式の主鏡を磨ける程度の人では難しいです.(たまに,主鏡の手磨きができると言って天狗になってる人がいますけどね)私も15cmくらいまでなら,1週間もかからずに完成できますけど,最初の頃は,ズリズリやって行ったらガラス材の厚さが3㎜くらいまで薄くなってしまって使えない主鏡にしちゃったことがあります.

ところが,hは最初から最後まで鏡材の端の厚さが変わらないのでした.まったくガラスを無駄にしないのでした
鏡材を買った時の「面取り」で上がりまでいける...自分では面取り作業をしなくてよい(:-)
※hさんというのが、そのお友達ですか。


※『天文アマチュアのための 新版 屈折望遠鏡光学入門』では作業の実際は(ほとんど)載っていませんので
※とりあえず『星野次郎,反射望遠鏡の作り方,1971』、『木辺成麿,新版 反射望遠鏡の作り方,1968』を
※ひっぱり出してきました。 しかし(わかる人はこれでイケるのかもしれませんが)...。

さて、そこで
「加工シロが不十分という問題を、専用の研磨機と,ダイヤモンドのカーブジェネレーターが解決した」
と(先にも書きましたが)想像していますが?
とくに費用が、「安い(?)青板ガラス」と比べても少なくて済むとは...興味津々!
ダイヤモンド・カーブジェネレーターの材料は(方式によっては)さほど高くないとも聞きますが、
ここで要求されている加工精度をもった器具にするのは、結構難しいと考えます。
まずカーブジェネレーターについて(それから専用の研磨機についても)ご紹介を期待しています。
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木村
記事: 56
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

え~と,上のスレッドの「自作・改造/Making」に「天竺への旅」として,改めて書いています.

あっちは,つれづれなるままに書きたいと思ってますので,出来ましたら質問は,こちらに下さいませ.こちらでお答えします.

削りシロが残ってないのを解決したのはh君の技能です.
機械ではありません.

コバ厚の計算は,お見事です.
確か15mmになってましたね,思い出しました.
でも,重さは直径の3乗,レンズ周の長さは1乗,長さに厚さをかけてやっと2乗ですから,単に口径の何%だと大口径になると不足する気がしますね.BK7のコバが15mmってのも危なげな感じでした.もちろん,屈折は,レンズの歪みには寛容なんですけどね.
還暦α
記事: 135
登録日時: 2023年6月20日(火) 12:59

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 還暦α »

みなさんこんにちは。

年度末に積み残した仕事が多く、なかなかこちらの掲示板に参加している余裕がありませんでした。
やっと落ち着いてきたので参加させていただきます。

中央に遮蔽がある方が解像度が上がるという話は半導体露光装置で使われていた輪帯照明の話だと思います。
私が就職した約40年前頃から実用され始めていたので当時、耳にした覚えがあります。

こちらの論文に説明図があります。

https://annex.jsap.or.jp/photonics/koga ... setsu4.pdf

図5の左側、丸く白い穴全体から来た光が垂直にマスクにあたると回折光の0次回折光(回折していない)、
±1次回折光、±2次回折光のすべてが結像されます。
輪帯照明の場合は斜めに入ってくる光の0次光と1次回折光のみで結像(干渉)してうまく位相が合っていると解像度が
上がるという原理だったと思います。

干渉を利用して解像度を向上させているので一般的な天体観測には応用できない技術だと思います。
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木村
記事: 56
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

還暦α様,こんばんわです.

あ~,なるほど! その論文のFig. 4で良く分かりました.
頭の良い人が居るもんですね.
こういう事でしょう.
無題.png
 ただし,あの新竹 教授(OIST)の資料:-
https://shingi.jst.go.jp/pdf/2024/2024_OIST_005.pdf
の中には,この1/2λの部分遅延みたいな所は見つからないですね.依然として,中央遮蔽があると像のコントラストが上がるってのは謎のままです.
 でも,もしも1/2λだけ位相をずらす透明で均質な光学板があれば,適当な形に切って,対物レンズや主鏡の前に付けて,像のコントラストを上げる仕掛けは作れると思います.分解能を,大幅に上げることは無理ですが,特定のある対象(決まった距離離れてる2重星とか)だと少し分解能を上げるのは可能だと思いますけど,還暦α様.


 私が前に言った,超分解能とは2重星の分解に使う方法で,対物レンズの前に,すごく大きな丸い中央遮蔽を置きます.対物レンズをリング状にしてしまいます.すると焦点面での2重星の回折像もリング状になりますので,接近した明るい2つの光点は,直交方向に離れた(ややぼんやりした)薄暗い2点に変換されます.
無題2.png
 この方が肉眼では,分離して見えやすいのかもしれません.
なんにしても,どんなもんなのかは,自分で試してなくて・・・・簡単な実験なのにものぐさで・・・・

 2重星を見るのが楽しみと言ってらした,新しい型の アクロマ様が確かめてみて下さると有り難いのですが・・・
「M」
記事: 46
登録日時: 2023年7月29日(土) 19:25

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 「M」 »

還暦α さん 木村 さん みなさん こんにちは
還暦α さんが書きました:
中央に遮蔽がある方が解像度が上がるという話は半導体露光装置で使われていた輪帯照明の話だと思います。
...
干渉を利用して解像度を向上させているので一般的な天体観測には応用できない技術だと思います。

※OISTの資料が「EUV照明系で位相操作をする」あるいは「特定のパターンをもったマスクの使用」を
※前提としているのかは、わたしも読み取れませんでした...。
※(これも)よく知らない分野なのですが、顕微鏡では照明の側を細工する話がよく出てくるようですね。
※※※※
「ミラーの孔の影響はない/むしろ向上している!」を見て想起されたのは、
中央遮蔽(反射望遠鏡の副鏡の影)があると「分解能が上がる」現象です。
要は、中央遮蔽があると「Airy diskが(つまり第一暗環径が)小さくなる」ということで、
その一方で「Airy diskは低く、明環が高くなる(=Strehlが下がる。 )」
※ここでの「分解能」は、等光度の二重星を見分ける能力です。
しかし...中央遮蔽により「特定の間隔の」二重星を見分ける能力が向上する」という表現には
違和感をもつのですが。

ある望遠鏡が(無遮蔽であっても)「特定の離角(光度差)の重星が苦手」ということはありますね。
逆にいえば、「ある口径だと伴星が簡単に見えるが、それより(やや)大きな望遠鏡だと...(第一)明環に
埋もれて見えにくくなる」という重星がある。
わたしの「お気に入り」の例はδ Cyg(=STF2579AB)です。手元の資料ですと、明るさは2.9/6.3等でが、
離角は(ゆっくり増加中ですが)このところ2.76”程度。

※※※※
木村 さんが書きました: 対物レンズの前に,すごく大きな丸い中央遮蔽を置きます.対物レンズをリング状にしてしまいます.
すると焦点面での2重星の回折像もリング状になりますので,接近した明るい2つの光点は,直交方向に離れた(ややぼんやりした)薄暗い2点に変換されます.
!!!ホントですか??? ※簡単に実験できることではありますが...
なお、孔2つのマスクをかければ「Michelson stellar interferometer」そのものですね。
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木村
記事: 56
登録日時: 2025年2月06日(木) 11:24

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

投稿記事 by 木村 »

>!!!ホントですか??? ※簡単に実験できることではありますが...

 どうも,私の汚い絵を読んで下さって,有り難う御座います.
物置から古いスタイラスペン(XP用)を引っ張り出してきたのですが,どうも上手く使えないです.

理論を何の本で読んだのか忘れてしまったのですが,何かに書いてありました.
ただ,分解出来るかどうかは,図の右側のリングが2つ重なって明るくなってるところと,その裾野との光強度の比率が「コントラスト」ですから,それが計算上上がってるなら効果有りって判定なのでしょう.

ただ,見ようとしているのが2重星である(はず!)っていう「先遣情報」が入ってるわけで,その情報分だけ分解能が上がるという事になるかもしれません.(抽象的な言い方ですいません)

自分もやってみたことはありません.
でも,何かやってみたくなりましたね.
(笑い)
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