ガラクマさんの解釈は私と同じのように思うのですが、
≒λ/5は鏡面誤差(P-V値)で、波面誤差(P-V値)であれば確かにλ/2.32ですね。
富田さんは、多くの方が一般的に使うのは鏡面誤差では無くて、波面誤差(鏡面誤差の2倍)
だと考えられているようですが、
私は、木辺さんの著書等で従来から使われて来ていて、良鏡基準はλ/8と言われて来た数値は
波面誤差では無くて鏡面誤差(波面誤差の1/2)だと考えておりました。
アマチュア天文家向けの鏡面研磨関係で出て来る数値は鏡面誤差だと思っていたのですが。
なお、反射鏡研磨に特定しない一般的な光学機器分野では波面誤差を使うのが一般的だと
思っています。
いずれにしても良鏡(OK)基準は、鏡面誤差であればλ/8、
波面誤差であればλ/4(鏡面誤差の2倍)、
であり、この基準はレイリーリミット:波面誤差(P-V値)=λ/4から来ていて、
ここが合っていれば鏡面誤差であっても波面誤差であっても同じことを言っていることに
なると思います。
富田さんの言う一般的な考えが、良鏡(OK)基準は波面誤差(P-V値)=λ/4ということ
であればこの話題は解決です。
合っておりますでしょうか?
その他にも細かいことも多々有ると思うのですがそれはまた別の機会にということで
お願い出来ればと思います。
私もRFT測定については情報が残ること、ベストフィットRを使用する考え方等含めて
100%支持しています。
f3mirrorさん
Re: f3mirrorさん
Abbebeさん、明快な解説をありがとうございます。
近年、鏡面研磨をする人が減る一方で、干渉計を用いた精度保証を謳うメーカーもあり、単にP-V値と言った際に、鏡の反射面での高低誤差なのか、光路波面での波長誤差なのか、曖昧なまま数値だけが使われることも多いように思います。素人の私もその一人なのですが、ガラクマさんが言われるとおり、数値だけでなくどちらを指すのかを常に明確にするのが良いですね。
実は私も深く考えず、f3mirrorさんがRFT(リモートフーコーテスター)を持ち込まれてスタッフとして参加されていた駿台学園の研磨講習会では、鏡面精度の測定結果として波面誤差の方をいつも使われていたので、単純にそれに倣ったコメントという程度でした。
一方で、一般的なニュートン反射の場合には斜鏡があるため、書物や人によっては、斜鏡の精度も考慮して主鏡は倍の波面誤差1/8λ以上の精度が必要、望ましい?との考え方があったように思います。斜鏡は主鏡と比較して小さいため影響は少なく、精度的にもあまり酷いものは少ないとの意見もあります。また主斜鏡の精度の単純な足し算にはならないとも思います。しかし、斜鏡の精度は普通では確認し難いことから、とりあえず主鏡は波面誤差1/8λ以上が望ましいとしておくのが良いのでは、との考えもあります。
私の誤った理解かも知れませんので、ぜひご指摘をよろしくお願いします。
近年、鏡面研磨をする人が減る一方で、干渉計を用いた精度保証を謳うメーカーもあり、単にP-V値と言った際に、鏡の反射面での高低誤差なのか、光路波面での波長誤差なのか、曖昧なまま数値だけが使われることも多いように思います。素人の私もその一人なのですが、ガラクマさんが言われるとおり、数値だけでなくどちらを指すのかを常に明確にするのが良いですね。
実は私も深く考えず、f3mirrorさんがRFT(リモートフーコーテスター)を持ち込まれてスタッフとして参加されていた駿台学園の研磨講習会では、鏡面精度の測定結果として波面誤差の方をいつも使われていたので、単純にそれに倣ったコメントという程度でした。
一方で、一般的なニュートン反射の場合には斜鏡があるため、書物や人によっては、斜鏡の精度も考慮して主鏡は倍の波面誤差1/8λ以上の精度が必要、望ましい?との考え方があったように思います。斜鏡は主鏡と比較して小さいため影響は少なく、精度的にもあまり酷いものは少ないとの意見もあります。また主斜鏡の精度の単純な足し算にはならないとも思います。しかし、斜鏡の精度は普通では確認し難いことから、とりあえず主鏡は波面誤差1/8λ以上が望ましいとしておくのが良いのでは、との考えもあります。
私の誤った理解かも知れませんので、ぜひご指摘をよろしくお願いします。
Re: f3mirrorさん
鏡面誤差、波面誤差の定義も、OK基準も同一(鏡面誤差でλ/8、波面誤差でλ/4)
ということで、1面のみで考えると理解は同一のようですね。
とりあえずここで解決ということにしたいと思います。
次の問題として、
反射望遠鏡は1面では無くて2面で構成されるので、1面は波面誤差でλ/4の1/2のλ/8が必要!では?
ということで、鏡面誤差ではλ/8の1/2のλ/16が必要?ということになりますね。
実は吉田正太郎先生の望遠鏡光学初版の200頁の記述がそのようになっておりました。
この辺りはまあ色々な考え方があり、富田さんもいろいろな意見の存在を認められているようなので、
ここは私からこれ以上は踏み込まないことにしたいと思います!
ということで、1面のみで考えると理解は同一のようですね。
とりあえずここで解決ということにしたいと思います。
次の問題として、
反射望遠鏡は1面では無くて2面で構成されるので、1面は波面誤差でλ/4の1/2のλ/8が必要!では?
ということで、鏡面誤差ではλ/8の1/2のλ/16が必要?ということになりますね。
実は吉田正太郎先生の望遠鏡光学初版の200頁の記述がそのようになっておりました。
この辺りはまあ色々な考え方があり、富田さんもいろいろな意見の存在を認められているようなので、
ここは私からこれ以上は踏み込まないことにしたいと思います!
Re: f3mirrorさん
イベント会議室で
【神山天文台】企画展「西村製作所と中村要~反射望遠鏡にかけた夢~」
が、紹介されています。
私はまだ行ってないのですが冊子を入手いたしました。
内容的なこともあってこちらのf3mirrorのスレッドに書込みさせていただきます。
冊子の中の、神山天文台学芸員 青木 優美香氏による解説文
「中村鏡とカルバー鏡 中村要はなぜ感銘を受けたのか」の中の鏡面精度についての記載を添付しています。
32cmカルバー鏡のフーコーテスト測定結果による鏡面精度算出結果:PV値=λ/9に対して
標準的な望遠鏡ではPV値=λ/4、高精度の鏡はPV値=λ/8、従って高精度である!とあります。
これがまた混乱の原因になりそうですね。
標準的な望遠鏡でPV値=λ/8である必要が有ると思います。
PV値=λ/4というのは波面収差の許容量であって鏡面精度1往復分(2倍)が波面収差になるので鏡面精度はλ/4の1/2、
すなわちλ/8が許容量(標準的な必要精度)が正しいと思います。
【神山天文台】企画展「西村製作所と中村要~反射望遠鏡にかけた夢~」
が、紹介されています。
私はまだ行ってないのですが冊子を入手いたしました。
内容的なこともあってこちらのf3mirrorのスレッドに書込みさせていただきます。
冊子の中の、神山天文台学芸員 青木 優美香氏による解説文
「中村鏡とカルバー鏡 中村要はなぜ感銘を受けたのか」の中の鏡面精度についての記載を添付しています。
32cmカルバー鏡のフーコーテスト測定結果による鏡面精度算出結果:PV値=λ/9に対して
標準的な望遠鏡ではPV値=λ/4、高精度の鏡はPV値=λ/8、従って高精度である!とあります。
これがまた混乱の原因になりそうですね。
標準的な望遠鏡でPV値=λ/8である必要が有ると思います。
PV値=λ/4というのは波面収差の許容量であって鏡面精度1往復分(2倍)が波面収差になるので鏡面精度はλ/4の1/2、
すなわちλ/8が許容量(標準的な必要精度)が正しいと思います。
Re: f3mirrorさん
確かにややこしい文面にみえます。
参考にしたと思われる木辺氏の「新版 反射望遠鏡の作り方」P220では、
・・・鏡面の誤差がλ/4までであることを指摘したのがRaylieghである・・・・
・・・この理により鏡面スロープが、理想面から±λ/8以内であれば、全面的に考えても±λ/4を超えない割になるから、良鏡の標準は±λ/8以下と書く習慣ができた・・・・
とあります。この文面自体が説明不足で、’全面的に’というのが、抜き取り測定値が±λ/8以内であれば、鏡面全体、どこをとっても鏡面スロープが±λ/4を超えないと、ここだけ切り出したら読めます。
鏡面精度、Pv値(Peak to Valley?)”が、波面精度か。ほかに誤差とか収差とか、それぞれの文書のそれぞれの解釈でたくさんの言葉が出てきます。
以下の2つのPv値の説明も反射して倍になることを分かりやすく説明しておりません。
https://jp.optosigma.com/ja_jp/community__comm01_1bn5
https://www.mitutoyo.co.jp/about-metrol ... uction_05/
精度とは測定結果の間の一致の程度を示すもの(JIS Z 8402‐1)で、一般的に正確さ(中心のずれ)と精密さ(ばらつき=粗さ)の2つしかないはずです。
そこへ一意的に帰着できる定義と用語を使わないといけませんね。
参考にしたと思われる木辺氏の「新版 反射望遠鏡の作り方」P220では、
・・・鏡面の誤差がλ/4までであることを指摘したのがRaylieghである・・・・
・・・この理により鏡面スロープが、理想面から±λ/8以内であれば、全面的に考えても±λ/4を超えない割になるから、良鏡の標準は±λ/8以下と書く習慣ができた・・・・
とあります。この文面自体が説明不足で、’全面的に’というのが、抜き取り測定値が±λ/8以内であれば、鏡面全体、どこをとっても鏡面スロープが±λ/4を超えないと、ここだけ切り出したら読めます。
鏡面精度、Pv値(Peak to Valley?)”が、波面精度か。ほかに誤差とか収差とか、それぞれの文書のそれぞれの解釈でたくさんの言葉が出てきます。
以下の2つのPv値の説明も反射して倍になることを分かりやすく説明しておりません。
https://jp.optosigma.com/ja_jp/community__comm01_1bn5
https://www.mitutoyo.co.jp/about-metrol ... uction_05/
精度とは測定結果の間の一致の程度を示すもの(JIS Z 8402‐1)で、一般的に正確さ(中心のずれ)と精密さ(ばらつき=粗さ)の2つしかないはずです。
そこへ一意的に帰着できる定義と用語を使わないといけませんね。
プライベートメッセージです
Re: f3mirrorさん
吉田先生の望遠鏡光学(昭和53年初版)からP198~199です。
P-V値(P-V値とは書かれていないですがP-V値ですね)とレイリーリミットの関係はこれが全てだと思います。
P-V値(P-V値とは書かれていないですがP-V値ですね)とレイリーリミットの関係はこれが全てだと思います。
Re: f3mirrorさん
Abbebeさん。資料ありがとうございます。
ただ、残念のはこの資料にもPV値が定義されてませんね。
問題の発端は、文書内のミラーの物理的なエラーをPV値と呼んでいるのか、Abbebeさん言う反射光の波面のエラーをPV値と呼んでいるのかが、あいまい、混同しているという点ではないでしょうか。
以下に定義がありました。
https://kikakurui.com/b0/B0091-2010-01.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/m ... -pv-wv.jsp
以下にもありますが、これも理想面からのずれと言いながら、単純な凹凸の話をしています。
https://www.natsume-optics.co.jp/glossa ... %ef%bc%89/
それに、別スレの話もありますが、中村氏は球面からの修正量は控えめ(1/2程度?)がいいと言っているので、エラー自体が何が正解なのかは分かりません。
ただ、残念のはこの資料にもPV値が定義されてませんね。
問題の発端は、文書内のミラーの物理的なエラーをPV値と呼んでいるのか、Abbebeさん言う反射光の波面のエラーをPV値と呼んでいるのかが、あいまい、混同しているという点ではないでしょうか。
以下に定義がありました。
https://kikakurui.com/b0/B0091-2010-01.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/m ... -pv-wv.jsp
以下にもありますが、これも理想面からのずれと言いながら、単純な凹凸の話をしています。
https://www.natsume-optics.co.jp/glossa ... %ef%bc%89/
それに、別スレの話もありますが、中村氏は球面からの修正量は控えめ(1/2程度?)がいいと言っているので、エラー自体が何が正解なのかは分かりません。
プライベートメッセージです
Re: f3mirrorさん
私は反射光の波面エラーをP-V値と呼んでいないですよ。
P-V値とは単純に最大値と最小値の差のことであって、これ以外の定義は有り得なくて、
波面誤差であっても鏡面誤差であってもP-V値はP-V値である訳です。
反射鏡面は鏡面誤差の2倍の波面誤差を発生させるので、
レイリーリミット波面誤差:P-V値=λ/4をクリアする為には、
鏡面誤差は、レイリーリミット波面誤差の1/2の
P-V値=λ/8が必要である!ということであり、
(青木 優美香氏は鏡面誤差P-V値=λ/4が標準と記述していてここが正しく無い!ここが発端!)
波面誤差λ/4も鏡面誤差λ/8もP-V値です。
次に、
修正量は控え目が良いというのは鏡面誤差はアンダーコレクションとなる方向(楕円面~球面方向)に偏って存在している方が好ましいということで、P-V値=λ/8に、可能であれば付け加えたい条件だと考えれば良いのではないかと思います。
今後の話になりますが、P-V値に代わる値としてRMS値が有ります。
例えばPHD2等による赤道儀自動ガイドエラーにはRMS値とP-V値の両方が表示されますが、実際のガイドエラー状況を表せているのはP-V値では無くてRMS値だと考えている人が殆ど(全て?)だと思います。
鏡面誤差においても今後測定輪帯データ数が増えることによってP-V値からRMS値に移行していくのは必須だと思っています。
これに伴ってレイリーからマレシャルに移行するのも必須だと考えられます。
(非球面レンズ界では既に(初めから)そうなっていますね)
反射鏡では益々混乱が増える方向になりそうですね。
P-V値とは単純に最大値と最小値の差のことであって、これ以外の定義は有り得なくて、
波面誤差であっても鏡面誤差であってもP-V値はP-V値である訳です。
反射鏡面は鏡面誤差の2倍の波面誤差を発生させるので、
レイリーリミット波面誤差:P-V値=λ/4をクリアする為には、
鏡面誤差は、レイリーリミット波面誤差の1/2の
P-V値=λ/8が必要である!ということであり、
(青木 優美香氏は鏡面誤差P-V値=λ/4が標準と記述していてここが正しく無い!ここが発端!)
波面誤差λ/4も鏡面誤差λ/8もP-V値です。
次に、
修正量は控え目が良いというのは鏡面誤差はアンダーコレクションとなる方向(楕円面~球面方向)に偏って存在している方が好ましいということで、P-V値=λ/8に、可能であれば付け加えたい条件だと考えれば良いのではないかと思います。
今後の話になりますが、P-V値に代わる値としてRMS値が有ります。
例えばPHD2等による赤道儀自動ガイドエラーにはRMS値とP-V値の両方が表示されますが、実際のガイドエラー状況を表せているのはP-V値では無くてRMS値だと考えている人が殆ど(全て?)だと思います。
鏡面誤差においても今後測定輪帯データ数が増えることによってP-V値からRMS値に移行していくのは必須だと思っています。
これに伴ってレイリーからマレシャルに移行するのも必須だと考えられます。
(非球面レンズ界では既に(初めから)そうなっていますね)
反射鏡では益々混乱が増える方向になりそうですね。