ページ 12

2025年の収穫

Posted: 2025年6月30日(月) 21:34
by 「原」
福島も行けず、天候も芳しくありません。日中に薄雲越しにコロナドで太陽を見る程度。で、京都の骨董市へ繰り出しましたが、空振り。近年、中古カメラ系などの光学類が激減してトホホです。
そこで久々に京都KKさんへ足を伸ばすと、幾つか店頭に転がってました。
アメリカのガレージメーカーが作っていた4インチスリーブの125mmアイピースとか、大砲用のペリスコープ(Er系らしいのがついている)とか、ツアイスの解剖用顕微鏡ユニット(焦点距離125mmにK20相当品がついたもの。無限遠にピントが出るので抜き差しIF式の双眼鏡になるという代物 https://yumarin7.sakura.ne.jp/joytalk/j ... etno=11403 に載せたのと同一品。)とか。たまにWebショップに掲載されてないのがあります。

で、幾つか仕入れました。
写真1枚目の左から オルゴール式のポタ赤・・・製品としてあるのは知っていたが手に取ってみると。。。ゼンマイ式でちゃんと動いている・・・ように見える。どこかで試してみるか。。。

次が顕微鏡用双眼装置。Φ30の顕微鏡用アイピースがつくので手元のニコン、ZEISS、Laica、オリンパスなどが付く。軽量なタイプだったので小型機に使おう。

右端の2個はハイゲンの50~60mmくらいのアイピース。Wachter V=110xとか書かれ、ねじ込みが62mmくらいある(汗)コーティングはされているのでそんなに古くはないはずだが?どこのだ?手持ちのV社製10cm級鏡筒の接眼部が60mmくらいのねじ込みなので、フィルター枠とか合いそうなネジを探し中。(延長リングがないとピントが出ないだろうけど)

追加しました。4cmfl:500mmくらいの反射望遠鏡。商標類のシールが剥がれてメーカー不明。カートンにそれっぽいのがあるが・・・接眼部の独自規格で付くアイピースもなく、別途鏡筒~接眼部を作ってみないと実力不明。ミラー側をスライドさせるほうがピント合わせが楽になりそうな気配。

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月20日(日) 19:39
by 還暦α
皆様こんばんは。

原様がスレッドを立てられていたので投稿します。

春先に時々巡回しているH.O.で見つけた双眼鏡です。
レジ前のカゴに大きめの双眼鏡ケースがあったので手に取ると中身が入っていました。
出してみると30x70mmと高倍率大口径の双眼鏡でした。
ケースと本体の両方に330円の値札が貼ってあったので店員に聞いてみると両方合わせて330円で良い
と言われたので迷わず買いました。
(私が巡回しているH.O.は知識のある人がいないようで時々格安のジャンクが転がっています)

ケースのカビ臭がすごかったのですが天気の良い日にしばらく外に放置していたら収まりました。

プリズムにカビがありメンテナンスが必要な状態です。
メンテナンスしないままM42あたりを見てみたところ視野一杯に広がっていてなかなかの迫力でした。
高倍率の双眼鏡は天体観測には向かないという先入観がありましたが、口径が大きければ
存在意義があると認識しました。
地上の風景を見たところ色収差が結構あり、あまり性能が良いとは言えませんでした。
星雲などを見る場合は人間の目が色を識別できないくらいの明るさなので色収差は気にならないのでしょうね。

対物レンズ側のつなぎは飾りで、つなぎの中心部分がガタガタの遊びだらけで付けてある意味がありません。

保証書が入っており、
「クツワ株式会社 コスモ光学器部」となっていました。
保証金額の上限が3,000円になっていたので結構古いものなのかと思います。

こちらの資料室にあるカートンの1974年のカタログに似たデザインの20x70mmが載っていました。

https://yumarin7.sakura.ne.jp/retrokan/Carton1974_7.pdf

JB 111 は例のリストで Tosco Co., Ltd., Tokyo となっていました。
検索してみるとcloudynightsに情報があり、こちらの中ほどにある「S. ISHIMITSU & CO. (JAPAN)」らしい
という事がわかりました。(1959年のリストに載っているそうです)

https://www.miniaturebinoculars.com/page0018.htm


追記です。
「S. ISHIMITSU & CO. (JAPAN)」で検索したら石光商事(1906年アメリカで創業)が出てきました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3 ... 6%E4%BA%8B

「1951年(昭和26年)-兵庫県神戸市葺合区にコーヒー生豆、紅茶原料を取り扱う株式会社石光季男商店を設立。」
とあり、こちらの文献の表9、上から3番目の「石光季男商店」と一致していました。

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/o ... _1_151.pdf

Tosco Co., Ltd.は別の会社のように思えますね。

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月23日(水) 20:32
by 「原」
30x70というスペックは家にもあったな、と思って発掘するとありました。クリアー光学の30x70でJB251(東邦光学?)。実視界2度。接眼レンズの前にバローレンズが入ってアイポイントを稼ぐ設計なのですが、それでもまつげが着くまで寄らないと視野が見渡せない。。。この種の大型高倍率双眼鏡が後の低倍率大口径のベースとなったお陰で安く普及できたのでしょうね。

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月24日(木) 07:05
by 青色つきこ
みなさま、こんにちわ。

還暦αさまがJB111について、触れられていますので、以下に補足させていただきます。

所謂JBコードですが、1959年時の111番は(有)大洋光学製作所だと考えています。
現在、ネット上で見ることができるものは登録時のものではなく、それ以後のものと思われます。
一つの番号に対して、二つの業者が記されていたり、一つの業者が複数の番号を持っていたりして
いますねぇ。
このリストの内容については検討が必要なものと思っています。
例えばJB110には(有)大洋光学製作所と筑波光学(株)が記されています。
これは、筑波光学(株)が正しいと考えています。
日本語原本から英語に転記に際して加筆・削除の分を、注記なしに、全て丸写しした結果だと考えます。
(有)大洋光学製作所は曾根田豊吉氏が1954年に設立した会社で1957年に有限会社に改組しています。
(有)トスコは曾根田氏の奧様が代表になって1964年につくられた会社です。
その後、1967年頃に(有)トスコが存続会社になったようです。
トスコの名称由来については、想像するしかありませんが、"トキワスコープ"を縮めたものかと思われます。
かつて、曾根田豊吉氏は、"トキワ理化研究所"という会社を持っていました(1957年(有)大洋光学製作所と合併)
し、会社の住所も板橋区常盤台です。
トスコは双眼鏡のブランドとして"クラウン"を使用していたようです。
どなたか見たことありますか。

件の1959年の登録業者のリスト(アルファベット順)は、最初の画面の右側にあるPAGE NAVIGATIONを最下段まで
行くと最後から二段目にJB JE MFGR.CODE LISTというのがあります。そこから入れます。
右側のリストがJBコードの登録業者(商号、住所、代表者)です。

石光季男商店ですが、1959年当時は光学機器・雑貨等を豪州・南ア・中南米・クウェートに輸出。
コーヒー豆は、アラビア・中南米・インドネシアから輸入。まあ、総合商社です。
なお、1959年のリストに、石光季男商店はありません。

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月28日(月) 21:10
by 「原」
先日・・・と言っても何ヶ月か前にカビカビで接眼部が無いロシア製マクカセMK-65のジャンクを入手。これの改良型のMK-67は30年前に入手して使っているのですが、このMK-65は天文ガイドと笠トレさんが喧嘩になった曰く付きの製品(^_^)なので是非とも本物を確認したかったので入手に及びました。

並べてみると全長、外径はほぼ同一(写真1枚目)ですが、接眼部がMK-67はクレイフォード2インチ、MK-65は本来はアメリカンサイズのヘリコイド(私のはボーグ製で置き換え)。

MK-67は副鏡が分離式で光軸修正装置付き(写真2枚目)。

対してMK-65はレンズ中央にメッキ・・・
詳しく観察すると写真3枚目の左にあるようにレンズ表裏の反射像がコーティングの色がついて2つ被さって見えてます。
でも、副鏡に反射がかかる角度になったら表面の反射しか見えません。
もう少し角度を変えると写真3枚目の中央のように内面のメッキ面の反射が見えてきますが、照明の反射像のサイズがぜんぜん違う。

レンズを外して同様に観察すると、写真3枚目の左のようにメッキ面のところで反射像が非連続に変わります。カーブが周囲とは違う。笠トレさんがおっしゃった通り、明らかにグレゴリー式マクカセでは無い事がわかりました。

メッキ面のところだけ浅いカーブのようです。どうやって磨いたんだろう?????いやあ、面白いなあ。

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月29日(火) 15:13
by 鈴木 隆
INTES MK-65は私も持っていました。マクストフレンズのメッキ面はカーブが浅いですね。本家ツァイスのMENISCAS180も同様の方法で作られているようです。

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月29日(火) 19:27
by 還暦α
皆様こんばんは。

私の双眼鏡の話に戻してしまいすみません。
(下書きを作って色々調べているうちに遅くなりました)

原様
クリアー光学の30x70ご紹介ありがとうございます。
私の購入した物とは少し形状が違いますね。
一時期流行っていた11x80mmが姿を消した理由は何だったんでしょうか。
(口径の割に安価で良かったですよね)

青色つきこ様
詳しい解説ありがとうございます。
ちゃんと英語を読んでいませんでした。
メーカーではなく輸出業者として石光商事を挙げていました。

https://www.cloudynights.com/topic/618815-tosco/

旧掲示板でガラクマ様がJEコードのリストを見せていただいたという話がありましたね。

https://yumarin7.sakura.ne.jp/telbbsp/j ... gi?page=10

改めて上記を読んでみて、元々、国が法律を作って届け出をさせて国が与えた登録番号であれば
JBコードとJEコードのリストを公開できない理由が無いような気がするのですがどうなんでしょうか。

現在有効な登録番号では例えば企業のインボイス登録番号から企業名と住所を検索できるようになっていますし、
産業廃棄物処理業者の登録番号や許可番号で業者の情報を検索できるようになっています。
JBコード、JEコードともに法律が有効であった期間は誰でも閲覧できるようになっていたのでないかと思います。



話は変わってINTESの補正板中央の曲率が大きいところは周辺にヤトイを付ければ研磨できそうですね。
マクストフの補正板は比較的小さな曲率の球面なのでヤトイの厚みがある程度必要になることから
それほど難しくはないように思います。
光軸を合わせて正確に中央を研磨するのは大変そうですが、リング状のヤトイを使えばうまく行くのかもしれません。

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月29日(火) 21:47
by Linf
還暦αさま

K. G. Kumanin ed., Generation of Optical surfaces, Focal Press 1967
(ロシア語版 1962の英訳)
Part 2 : Generation of Surfaces
XI. Some Calculations on the Means of Location of Plane and Spherical Surfaces p. 344 - p. 359
by L. S. Tsesnek
p. 353のThe trispherical meniscus(三重球面メニスカス)の項に
「メニスカスのR2(第2面であって、中央遮蔽の凸反射面ではない*)を最後に研磨する必要がある。」
との記述があります。
(*投稿者注)

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月30日(水) 13:31
by 還暦α
Linf様

ご紹介いただいた書籍は閲覧できないので想像での話になることを御理解ください。

マクストフカセグレンの光路図を描く場合、補正板の凹面(物体側の面)をR1、凸面(主鏡側の面)をR2、
主鏡面をR3、副鏡面をR4とするのが一般的なように思います。
そうすると Linf様ご紹介の書籍でR2と表現されているのであれば凸面のように思われますがどうでしょうか。

製作が容易になるようにR2=R4とする設計が主流の中、INTESはR2≠R4として収差を減らしているので高性能
ということになります。

また、原様が
「もう少し角度を変えると写真3枚目の中央のように内面のメッキ面の反射が見えてきますが、照明の反射像のサイズがぜんぜん違う。」
と記述されていましたので内面、すなわち凸側の面の曲率が大きく(緩く)なっていると考えた次第です。

凹面側の中心部分を周辺部より大きな曲率で研磨するとなると周辺部は中心部分を外して研磨しなければならず、また、
中心部分を研磨する際は小さな研削盤やピッチ盤を使うことになり、どちらの面を磨くにしても横ずらしができないので
相当難しいのでは無いかと思います。
中心部分の曲率を小さくする分には全体を磨いてから中心だけ磨くか中心部分に合わせて全体を磨いた上で周辺部を
大きな曲率で磨けばよいのでそれほど難しくなさそうです。
(反射鏡研磨でありがちな2重球面状態で、若いころ磨いた鏡面がこの状態になり断念しました)

昨日の投稿でヤトイを使うという方法を紹介しましたが、上記を書いていて凸面の研磨でも全体を中心部の大きな曲率で
磨いてから曲率の小さい研削盤やピッチ盤で周辺部を磨くという方法がありそうです。
中央部の保護が必要ですが研削盤を所定の曲率にしておけば周辺部から磨かれていくので問題ないと思います。

Re: 2025年の収穫

Posted: 2025年7月31日(木) 11:48
by Linf
還暦α様

p.353のtrispherical meniscus単体の説明図をつまみを上にして
置いたガラス鍋蓋でたとえますと、つまみとガラス鍋蓋の間にある
薄い小円盤が第1面、小円盤が乗っているガラス面が第2面、鍋本体に
面するガラス面が第3面です。

本文の記述
メニスカスのR2は最後に研削*する必要がある。

説明図から読み取り
第1面の極(頂点)は第2面の仮想の極(頂点)より低く、第2面より
曲率半径が大きい。
R1 : 第1面の曲率半径
R2 : 第2面の曲率半径
R3 : 第3面の曲率半径
D0 : メニスカスの直径
D : 第1面の直径
h1 : 第1面のサグ
h2 : 第1面の弦に対する仮想の第2面のサグ
h : h2とh2差

*grindですので研削に訂正します。