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光学専門書におけるリッチークレチアン式反射光学系の扱い

Posted: 2024年1月18日(木) 18:09
by Abbebe
久々のレンズ光学専門書の最新刊ということで渋谷眞人著「レンズ光学の泉」(2023年12月発行)を購入してみました!
実は13年前の「レンズ光学入門」の続編のようです。この著者の方はいわゆる現場的実用設計者では無くてでどうも研究者のようですね。
実は近年の光学専門書において正弦条件の内容になるとどうも必ず出て来るのが「リッチークレチアン反射光学系」の理論であって、天文アマチュア機材関係ではタカハシミューロンに代表されるドールカーカム式の台頭もあってどちらかと言うと現物的には避けられている感の強いリッチークレチアン式の理論が実は光学業界では特に教育ステップのひとつになっている事実を感じます。
1993年の高野栄一著「レンズデザインガイド」では実設計データを挙げながらリッチークレチアン光学系設計実習が進められる記述も有り、まあこの本が存在したことによって私がリッチークレチアン式にのめり込むことになり、かつ自作まですることが出来たということは間違い無いと思いますが。
リッチークレチアンを知ったのは吉田正太郎先生の1978年の「天文アマチュアのための望遠鏡呼光学」で、その後の望遠鏡光学の続編等で更に詳しく説明がされておりましたが、内容は学術優先の内容で非常に難しく書かれておりました。
話は高野栄一氏の本の内容に戻りますが、高野栄一氏はタムロン、キヤノン、アンジェニュー等と渡り歩き、特にズームレンズの発展に大きく貢献された高名なカメラレンズの実用設計者で、実はこの本の記述の中でリッチークレチアンの研究者による研究論文等を軽く批判している感も有り、なかなか過激で面白い内容でありました。
残念なことに天文アマチュア界(特に日本の)では双曲面が製造~テスト困難、精度出しも困難ということで日本の望遠鏡メーカーでは本格的には取組めていないようで、またどちらかというと高倍率に向かないアストロカメラに適した方式であるという考え方が浸透してしまった感も強く、今後もリッチークレチアン式望遠鏡が主流になって出回ることは無さそうですね。

Re: 光学専門書におけるリッチークレチアン式反射光学系の扱い

Posted: 2024年1月18日(木) 18:16
by Abbebe
高野栄一氏の本の中身の一部を紹介します!

Re: 光学専門書におけるリッチークレチアン式反射光学系の扱い

Posted: 2024年1月20日(土) 22:04
by 「M」
Abbebeさん みなさん こんにちは

さて、高野栄一著「レンズデザインガイド」、面白そうですね。 ご紹介の部分の続きが読みたくなってしまいました。ところが、
入手できるか調べているうち、表紙の写真に見覚えがあるような気がしてきました...

もしかして、かのBerteleが主役級(と言うよりantagonist?? :-)の存在感で登場している本ではなかったでしょうか??

※コレクテッドリッチークレチアン望遠鏡など自作された機材のご紹介たのしみにしております。 

Re: 光学専門書におけるリッチークレチアン式反射光学系の扱い

Posted: 2024年1月21日(日) 11:26
by Abbebe
「M」さん、有難う御座います!
この高野栄一氏の本の中の、ベルテレ氏を紹介しているページです!

Re: 光学専門書におけるリッチークレチアン式反射光学系の扱い

Posted: 2024年1月21日(日) 19:53
by 「M」
Abbebeさん こんにちは

うむ、「読んだことある」感が、ますます強くなりました。ありがとうございます!
※しかしRCの項は、ほとんど記憶になし -- 「望遠鏡の話があったかなぁ」程度。
※※ということは...この本、私の現在位置から数[m]以内の「どこか」にある筈!!?? (:-)