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Re: 双眼鏡の推しごと
Posted: 2025年9月08日(月) 19:26
by 「原」
なるほど。アイピース側は扱いが違うわけですね。う~ん、分光光度計に乗せて射出瞳を中心に回転させてアイピースの視野角実測したらSinの方が整合が良かったのだけど、歪曲ですか・・・でも図面を見て理解できました。ありがとうございます。
Re: 双眼鏡の推しごと
Posted: 2025年9月08日(月) 21:06
by Abbebe
「原」さん、
有難う御座います。
還暦αさん
シミュレーション検討有難う御座いました。
この接眼レンズ(焦点距離25.2mm、見掛け視野72°、最大歪曲収差-13%)
について、実歪曲収差、等距離射影対応歪曲収差量、正射影対応歪曲収差量、は、
以下のとおりです。
入射角 実歪曲収差 等距離射影対応歪曲収差 正射影対応歪曲収差
(f・ω) (f・sinω)
18° -3% -3.3% -4.9%
36° -13% -13.5% -19.1%
等距離射影(f・ω)に近い歪曲収差量であることが解ります。
正射影(f・sinω)対応歪曲収差量よりも小さい歪曲量であり、(f・sinω)には合致しない接眼レンズのようですね。
意図として等距離射影に設計された接眼レンズ光学系である可能性も有るように思えます。
Re: 双眼鏡の推しごと
Posted: 2025年9月09日(火) 00:25
by Linf
還暦α様
OpTaliXのサンプルデータは、Handbook of Optical Systems Volume 4, 2008
からの提供です。124ページに、Wild接眼鏡はエルフレとベルテレのハイブリットと
考えられるとの解説とレンズ構成図。125ページに、縦収差、非点・像面湾曲収差、
歪曲収差図、スポットダイアグラム。142ページに、光学データ、焦点距離25.22mm
アイレリーフ18.95mm、視野角±36°などと記載されています。
5年前に、OpTaliXフォーマットから全345ファイルをZemaxフォーマットに変換して
時々利用しています。OpTaliXフォーマットは、ほかの光学設計ソフトに変換しやすいので、
変換元にしたそうです。
Re: 双眼鏡の推しごと
Posted: 2025年9月09日(火) 19:33
by 還暦α
Linf様
ご指摘の通りです。
日本でOptalixを販売しているエクレシアのホームページに記載されており、Optalix形式のすべてのデータを
ダウンロードできるようになっています。
http://www.ekklesia.co.jp/link/other/hos.html
残念ながら元の書籍は持っておりませんのでコメントは見ることが出来ません。
上記でダウンロードしたファイルの中には2種類のナグラーやエルフレ等があるので解析しようと思っています。
簡易版のOptalix-LTはシェアウエアになっていて30日間無償で利用できるので他の形式に変換するためだけに
使うのも良いかと思われます。
上記のデータダウンロードページにあるOptalix-LTダウンロードのリンクは古いバージョンのリンクになっていて
ダウンロードできません。
トップぺージの左メニューにある「ダウンロードー ソフトウェアとマニュアル」からダウンロードできます。
20年前にOptalix-LTを購入した時のライセンスキーのまま最新版まで無償でバージョンアップできています。
宣伝するわけではないですが、色々なソフトがバージョンアップしていく際にお金を要求するのに対して
とても親切なやり方で助かっています。
以前、Linf様が御紹介されていたATMOSなら無償で使えるので全データをOptalix-LTでファイル変換しておいて
ATOMSで解析するのが良いかもしれません。
ファイル変換についてはこちらにまとめられています。
http://www.ekklesia.co.jp/link/optalix/ ... econv.html
ご参考まで。
Re: 双眼鏡の推しごと
Posted: 2025年9月11日(木) 01:04
by Linf
還暦α様
コメントありがとうございます。
Handbook of Optical Systems Volume 4, 2008は、光学データを
MIL-Handbook 141, 1962(*1)から引用しています。
このWild接眼鏡(*2)はベルテレの発明で、スイスで他に2件の特許(*3)(*4)を取得しています。
Zemaxの光学設計データベースZebase(*5)の「Mirror Telescopes, Catadioptric Systems」の
一部とOpTaliXのサンプルデータの一部は、Handbook of Optics Volume 2 2nd ed. 1995 の
「Chapter 18 Refrective and Catadioptric Objectives」からの引用です。
A file exchange site for lens designs
www.lens-designs.com
Zemaxフォーマットファイルの投稿サイト
*1
https://wp.optics.arizona.edu/jgreivenk ... -hdbk-141/
-> 14. Eyepieces -> 14.11 The Wild Eyepiece
*2 CH248246(18.04.1946), US2549518(1951)
*3 CH274008(20.09.1948), CH275098(28.05.1949), US2621564(1952)
*4 LUDWIG J. BERTELE Ein Pionier der geometrischen Optik, Seite 118 (2017)
*5 Zemaxの「Design Templates」に内包。これ以前は有償でした。
Re: 双眼鏡の推しごと
Posted: 2025年9月14日(日) 11:01
by Abbebe
Linfさん
還暦αさん
有難う御座います。
そうですか。ベルテレ氏の設計による接眼レンズでしたか。
ベルテレ氏(1900~1985)は高名な写真レンズ設計者で、
高野栄一氏の著述によると、日本人を嫌っていたと(真似ばかりして設けるので)いうような逸話も有る人ですね。
ベルテレ氏はエルネマン社で経歴をスタート、エルノスタータイプを考案、
その後エルネマンはツァイスに統合されそこでゾナータイプを考案、
ツァイス双眼鏡設計でも活躍!
ツァイスの後、スタインハイル社、その後スイスのウィルド社(測量機メーカー)と渡り、
この接眼レンズは最後のスイス、ウィルド社時代に出願された設計のようですね。
測量機なので等距離射影という可能性も有るように思えますが、間違っていたらゴメンナサイということでお願いします。
いずれにしても広角接眼レンズのスタートデータとして大変有用なデータだと思います。