ページ 55

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

Posted: 2025年4月28日(月) 00:33
by 「M」
みなさん こんにちは

手元の教科書(*1)にしたがって中央遮蔽を大きくしていくと、どのように(2重)
星像が変化するか、を計算してみました。  2つの同じ明るさの星が
無遮蔽無収差の場合の「第一暗環の半径分」離れて並んでいる...としています。

(*1)『Schroeder, Astronomical Optics,2nd Ed』 
※そのp.248 (=「10.2.a POINT SPREAD FUNCTION」)
(高い本でしたが...)今はpdfが入手できるようです:
https://archive.org/details/0227-pdf-as ... ap-2000-ww

map-anime_sep-1.22.gif


プログラム(gnuplot)

コード: 全て選択

############################
## PSF(Fraunhofer)
##              20250427mn
############################
fz(x,y)=sqrt((x**2)+(y**2))
fr0(x)=2*besj1(x)/x
fr(x)=fr0(x)*fr0(x)
fr2(x,y)=fr(fz(x,y))
frAn(ep,x)=((fr0(x)-(ep*ep)*fr0(x*ep))/(1-(ep*ep)))**2
frAn2(ep,x,y)=frAn(ep,fz(x,y))
################
## Ploting mode
################
set pm3d map
set isosample 400
unset colorbox
set noxtics
set noytics
#
set palette gray positive gamma 1.0
################
## Separation
################
dx0=1.22        # ~ Rayleigh (
## 
dx=dx0*pi
################
## Ploting area
################
ww=pi*2.5
set size square
set xrange [-ww+(dx/2):ww+(dx/2)] 
set yrange [-ww:ww] 
#################################
outfileName=sprintf("anime_sep-%3.2f", dx0);
set term gif animate delay 5 optimize size 320,240
set output "map-".outfileName.".gif"
#################################
do for [ep0=0: 99: 10]{
        ep=ep0/100.0            #center obs.
        ti=sprintf("Obs=%d\%", ep0);
        print ti
        set title ti
        if(ep0==0){
                splot fr2(x,y)+fr2(dx-x,y) notitle
        }else{
                splot frAn2(ep,x,y)+frAn2(ep,dx-x,y) notitle
        }
}

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

Posted: 2025年4月28日(月) 16:24
by 木村
わっ!! びっくりした.

「M」様,学がお有りですね.凄いですね.
でも,そのソースコード,何言語って言うんでしょうか,私が慣れてないので読むのが難しいです.特に関数の定義が解り難いです.でも,なんか,中央遮蔽がされてないような像ですね.

すいませんが,アニメにしなくて結構です.
星は1個だけにし,直径の90%の中央遮蔽があるものとして,焦点面の1次ベッセル関数の2乗の大きさを縦軸,焦点面を2次元にしないでy=0で固定.X軸の-2.0から+2.0辺まで単純なグラフにすると,どうなりますか?

Re: ケーニッヒという接眼レンズ

Posted: 2025年5月03日(土) 02:07
by 「M」
木村 さん みなさん こんにちは

望遠鏡で見える恒星の回折像(無収差無遮蔽の場合)を(積分やフーリエ変換でなく)
ベッセル関数で計算する式は、たとえば『吉田正太郎,天文アマチュアのための 新版 屈折』
で紹介されていますが、「中央遮蔽がある場合の式」は意外と見つからないのです。
(*1)では回折積分からゴリゴリ(=「ていねいに」:-)導出しています。
※重ね合わせの原理(定理)/バビネの原理(定理)をつかって、無遮蔽の場合の式から
※導出するという「技法」もあったかも知れませんね。

『中央遮蔽があるほうが「第一暗環」が小さくなる』ことを、定性的に(たとえ話で)
説明できることを(1990年代前半に)知ったのは Sidgwickの解説書:-
『Amateur Astronomer's Handbook』か
『Observational Astronomy for Amateurs』あたりからだったと思います。

※感心したあげく、あちこちで知ったかぶりの吹聴をしたものです(黒歴史にしたい:-)
※その たとえ話とは...まあ、機会があれば紹介しましょう。

※※「中央遮蔽率が定積分の下限になっていること(*1)」を重ね合わせの定理/バビネの
※※定理に対比させるのも面白い、とは思いますが、当方の数学力/説明力では
※※サラサラといきません。

(*1)『Astronomical Optics,2nd Ed』 p.248 (10.2.5) .. (10.2.8)

「gnuplot」のスクリプト/プログラムを示したのは、計算式を(Texなどで)清書するより
簡単だからです。
※作図の状況/条件を「ことばできちんとつたえる」のは意外にむつかしいものですし。
※「これを読んで理解してください」ではなく、(興味を持った方が)
※条件を変えて計算するための参考資料です。

「gnuplot」は、いろいろのOSで動作する、グラフ作成用のソフトウェアで、説明書/
参考資料も(たとえば昔のN88BASICに比べれば)入手しやすい筈です。

※gnuplotは、「M」のおすすめではありません。昨今、小プログラムを
※発表するなら、「Python3」でしょうか? 当方、Pythonは「食わず嫌い」
※だったのですが、ぼちぼち慣れるよう努めているところです。

この「gnuplot」スクリプト/プログラムは、ずいぶん前に説明資料を作るために使った
ものを「焼きなおし」て、アニメgif出力としたものです。
アニメとした目的は「無遮蔽...(身近な反射望遠鏡の)30%程度の中央遮蔽...
90%の中央遮蔽という条件の変化」が、「観察される焦点像の変化」に連続的に
(すなおに)反映されることを示す、ことです。
※はじめて実際に覗いた反射望遠鏡はLN4Eでした。
※(ピントが合っていれば)
※斜鏡/スパイダーの影が気にならないことに感動したものです
※(素直な自分がなつかしい。)

※※※
”木村 ” さんが書きました: 星は1個だけにし,直径の90%の中央遮蔽があるものとして,焦点面の1次ベッセル関数の2乗の大きさを縦軸,焦点面を2次元にしないでy=0で固定.X軸の-2.0から+2.0辺まで単純なグラフにすると,どうなりますか?
もうしわけありませんが仕様を正確に理解でませんでした。 とりあえず:-

・(星1個無収差で)90%の中央遮蔽のある場合の焦点面の回折像の明るさを
  像中心を含む断面でグラフにしたもの。

・(上のグラフを計算する中に現れる)ベッセル関数の2乗をグラフにしたもの。

ただし、
両グラフのX軸の、「尺度」は共通で-2.0から+2.0までの範囲
として(重ね描きで)作図しました。
prof-Obs-90.png
●おまけ。
・(星1個無収差で)中央遮蔽のない場合の焦点面の回折像の明るさを
  像中心を含む断面でグラフにしたもの。
prof-Obs-00.png
これらのグラフのX軸の「尺度」だと、x ~ 1.22が回折像の第一暗環位置になることを
示すのが目的です。