小口径が大口径より分解するケース

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還暦α
記事: 142
登録日時: 2023年6月20日(火) 12:59

小口径が大口径より分解するケース

投稿記事 by 還暦α »

Google検索画面に表示されているお勧め記事を辿ったらこんな話がありました。

https://snct-astro.hatenadiary.jp/entry ... /19/012843

望遠鏡の分解能は口径に反比例して小さくなるという話が頭にこびりついている者にとっては
信じがたい話です。

基本は「望遠鏡の分解能は口径に反比例して小さくなる」で良い訳ですが、そこに空気の揺らぎが
加味されると「小口径が大口径より分解するケース」が存在するという事ですね。
シーイングの良し悪しと関係する話です。

口径30cmでボケるのに8cmに絞れば分解能が上がって見えるという事は空気の揺らぎの分布が
8cmに近い大きさという事になりそうです。
(実験されている環境での話です。)

大口径の方が分解能が高い画像が得られることについて最後に説明されています。
集光力が大きいので露光時間が短くなり空気の揺らぎによる像変化が時間的に平均化されず
良像が得られる確率が上がるので動画撮影した中から良像を選択すれば小口径よりも分解能が高い
画像が得られるという話と理解しました。

標高の高いところは空気の密度が下がるので揺らぎも少なくなりそうです。
都市部は標高が低く都市熱の影響もありそうで不利のような気がします。
空気の揺らぎの影響.jpg
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ガラクマ
記事: 714
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: 小口径が大口径より分解するケース

投稿記事 by ガラクマ »

 わたしも同じようなお話を、研究者の方から聞いたことがあります。
用語や詳しい内容は忘れてしまったのですが、上層の大気はある大きさの塊として動き、小口径の場合はある一つの空気の塊を通してみる可能性が高いので安定してよく見えるが、30㎝以上になると光路上で複数の違った密度の空気塊を通過するので、それ以上分解能は上がらない。口径というか光路の断面積がカギらしいです。
 なので、大型望遠鏡は光は集めても、小口径に眼視分解能で勝てない。とのこと。
まあ、写真ならいいとこどりなので、少しその上限をあげれるかもしれませんが。

 中村要氏や木辺氏も、25-30㎝以上は、一般の方にあまり勧めませんでしたね。まあカルバーは別でしたが。
最後に編集したユーザー ガラクマ [ 2025年5月09日(金) 23:25 ], 累計 1 回
 プライベートメッセージです
還暦α
記事: 142
登録日時: 2023年6月20日(火) 12:59

Re: 小口径が大口径より分解するケース

投稿記事 by 還暦α »

ガラクマ様、皆様こんばんは。

凹面鏡研磨の大家が大口径を勧めなかったという話は初めて知りました。

口径2.4mのハッブル宇宙望遠鏡の画像がすばる望遠鏡など地上の8mクラスの望遠鏡より鮮明な画像が
得られていることからも空気の揺らぎの影響が大きいことは理解できますね。

Wikipediaによると空気の屈折率は1.000277(0℃、1気圧)とされています。

風などの揺らぎでどのくらい変わるのかはわからないですが天体観測では空気中の光路が10km以上あるわけですから
ほんの少しの変化でも影響が大きいのでしょうね。
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