自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡

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ガラクマ
記事: 555
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡

投稿記事 by ガラクマ »

 松本ミラーは銀メッキ仕様があると聞いたのですが、今確認するとHPでは
" EMSシリーズが全て高反射の銀ミラーになって生まれ変わりました。"とあります。
反射率とかもありますが、
アメリカとかでは、ニュートン主/副鏡も銀メッキが流行っているようですね。夜露や結露は大丈夫なんでしょうか?
 
 ちなみに50㎜のプリズムは私も売ってます。たぶんコーティングはしてないと思いますが、自作材料にはいいかもしれません。
https://dauer-store.online/product/prizm50x50%e3%8e%9c/
 プライベートメッセージです
Abbebe
記事: 92
登録日時: 2023年6月14日(水) 11:03
お住まい: 愛媛県新居浜市

Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡

投稿記事 by Abbebe »

還暦αさん、情報色々どうも有難う御座います。
アルミの反射率は92%、銀の反射率は95%に対して誘電体多層膜コートミラーの反射率は99%程度のようですが、素朴な質問ですがアルミか銀の上にその誘電体多層膜コートをしているのですか?それともアルミや銀は不要で誘電体多層コート多層膜のみで(勿論基板は必要と思いますが)ミラーになるのでじょうか?

現在はアルミでも上にSiO2コートをするのが一般的と思いますが銀の場合も、ガラクマさんも疑問視されているように上に何かをコーティングしないと実用出来ないように思います。

その辺の技術について是非御教示いただければと思います。よろしくお願いします。
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ガラクマ
記事: 555
登録日時: 2023年6月07日(水) 21:16

Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡

投稿記事 by ガラクマ »

 銀は表面のコーティングができるようになって、初めて実用になったということですが、なぜ最近までなかったかというとコーティングが難しかったのではないかと、勝手に思っています。
 銀のコーティングは弱い、という話もあって、主鏡りは、結構頻繁に洗浄するので、心配します。
 プライベートメッセージです
還暦α
記事: 129
登録日時: 2023年6月20日(火) 12:59

Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡

投稿記事 by 還暦α »

Abbebe様、ガラクマ 様

コメントありがとうございます。
誘電体多層膜コートミラーは金属膜を使用しておらず誘電体多層膜のみで構成されています。
分光反射率グラフの使用波長領域以外の反射率が極端に低下しているのがその証拠です。
マイクロソフトのExcelなどの表計算ソフトが無いとみられないかもしれませんが分光透過率グラフの下にある
「生データ」をクリックすると広い波長範囲のグラフが見られ、可視域のE02はわかりにくいですが
紫外用のE01、赤外用のE03などは反射率0近くまで低下する波長があります。
(表示できた場合は下にあるタブのE01、E02、E03をクリックしてみてください)

リンク再掲します。

https://www.thorlabs.co.jp/newgrouppage ... oup_id=139

銀ミラーに関してはすぐに酸化して黒くなってしまうので保護膜必須です。
「塗銀」のスレッドで原様が着色の話をされていたのも銀ミラーを使わない理由かもしれません。
「原」
記事: 367
登録日時: 2023年6月14日(水) 19:16

Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡

投稿記事 by 「原」 »

銀は塩素イオンや硫黄に滅法弱く、イオン化傾向では銅より小さくパラジウムより大きい割という程度の割にはよく腐ります。このため保護膜は必須です。また、ガラスへの密着力も芳しく無いのでクロムなどを先に蒸着しておいて、その上に蒸着して密着力を稼ぐケースもあります。

でも、そこまでしても、蒸着機がクリーンルームにあるわけではないので、ミクロン単位の塵によるピンホールが無数に存在します。そこに水滴がつくと、空気中の炭酸ガスを溶かした電解質となって、クロム~銀間で電池が形成され、クロムの酸化が進行して下地がゴッソリ抜け落ちて剥がれる。。。。あるいは人体起因の塩素イオン(汗の塩)で銀がピンホールのところから腐っていく。完全無欠の保護膜でない以上、夜露にさらされると保護層付きでも徐々にやられます。

松本式の場合はフィルターで密封してあるので、乾燥剤も入れておけば相当大丈夫でしょう。

銀には他にも難儀な性質があって、蒸着時にナノオーダーの微結晶ができると表面の微細な凹凸が原因で短波長側の反射率が落ちます。(表面プラズモン現象が原因)シミが付いたような欠点として見えるので外観上の問題となります。(性能としては面積比が小さいのと、青の反射率が僅かに下がった程度なので集光力には大きな影響はありません)

星野二郎氏の「反射望遠鏡の作り方」に出ているような、無電解めっきで分厚く付けてベンガラで仕上げ磨きする方式なら問題ないのですが、蒸着では0.1ミクロン程度なので磨くと無くなっちゃうので、できません。残念。

昔、任天堂ゲームボーイやソニーサイバーショットに銀反射板が採用されたときは、シミが発生しない銀パラジウム合金をスパッタリングで付けてましたが、ターゲットとなる合金インゴットが猛烈に高価だったので余り広がらなかったようです。

リンク先は国立天文台での銀メッキ鏡(数社 記名なし)の試験結果ですが、下地処理と保護層の種類/質/厚みで耐久性に差が出ています。会社名が知りたい~~~
https://www.nao.ac.jp/contents/about/re ... j/p107.pdf
還暦α
記事: 129
登録日時: 2023年6月20日(火) 12:59

Re: 自作φ300mmCRC(コレクテッドリッチークレチアン)望遠鏡

投稿記事 by 還暦α »

皆様こんばんは。

勤務先に可視域用の広帯域誘電体多層膜ミラーと保護膜付き銀ミラーがあったので紹介します。

画像の1枚目と2枚目が広帯域誘電体多層膜ミラーです。
裏面は砂目になっています。
650nmの半導体レーザ(LD)の光を透過させてみました。
入射角45度付近までは透過光が少ないですが45度を大きく超えると透過光が増えているのがわかります。

3枚目は保護膜付きの銀ミラーです。
履歴を調べたところ2020年3月に購入していました。
うっかりするとカビが生えてしまうようなあまり良くない環境に放置していたものです。
右上に見えている白い部分は購入当初は無かったので端面から水分等が侵入して劣化したものと思われます。
(小さい斑点は表面の汚れなのか確かめるために拭いた時の拭きムラです)
蛍光灯を透かしてみたところ肉眼で見えるようなピンホールはありませんでした。
夜露が付くような状況では劣化が激しくなると思われますが、デシケーターに入れるなど保管に気を付ければ
保護膜付き銀ミラーは案外もつのかもしれません。

ご参考まで。
広帯域誘電体多層膜ミラー.jpg
広帯域誘電体多層膜ミラー入射角依存性.jpg
保護膜付き銀ミラー.jpg
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